2012年12月31日月曜日

システムバイオロジー (現代生物科学入門 第8巻)

北野 宏明 (著), 近藤 滋 (著), 黒田 真也 (著), 金子 邦彦(著): システムバイオロジー (現代生物科学入門 第8巻)、岩波書店 (2010/1/20)

新しい分野の勉強をしようと思って、読み始めましたが、...

システムバイオロジーとは、生体をシステム工学の立場から捉えることにより、様々な生命現象を理解しようとする分野だと、私は解釈しています。

この本は、そのシステムバイオロジーの専門書ですが、私のようにそもそもバイオロジー(生物学)の勉強ができていない人には、かなり理解は難しいです。入門書をまず読んでから、この本を読むべきでした。

本は4つの章から構成され、章ごとに著者が異なります。最初の第1章のチューリングパターンは興味を持って読めましたが、後の章はあまり理解できませんでした。ただ、ところどころに挿入されたコラムはなかなか面白かったです。



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2012年は年間50冊の目標を大きく上回り、59冊読みました。

2013年も、目標は年間50冊にしようと思います。ただ、月に1
冊は専門書を、また、数か月に1冊は英語学習のための本を、読むことを目標に加えようと思います。

2012年12月24日月曜日

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)

リチャード P. ファインマン:ご冗談でしょう、ファインマンさん〈下〉 (岩波現代文庫)、岩波書店 (2000/1/14)

以前、読んだ「ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉」の続きです。

下巻でも、基本は、「いたずら好きのファインマン教授の大冒険」です。

でも、そんな中で、「誤差は7パーセント」の話だけは明らかに他の話と違っていました。新しい発見で興奮状態のファインマン。その興奮がまるでドラマを見ているように伝わってき、読んでいるこちらまで興奮してきます。冗談のような話が多い中、「やっぱりこの人は科学者なんだ」と思わせる一節でした。

また、日本訪問時の話も、私が日本人であるがゆえ、興味を引かれました。批判的な話が少なくない中で、日本に対してはおおむね好意的なようで、ほっとしました。

しかし、いろんな意味で凄い人だなあ。



2012年12月15日土曜日

聞く力―心をひらく35のヒント (文春新書)

阿川 佐和子 (著) :聞く力―心をひらく35のヒント (文春新書)、文藝春秋 (2012/01)

数々のインタビューを手掛けてきた著者が経験から学んだ「聞く力」...というよりも「インタビューの技術」を紹介した本です。

インタビューでのエピソードがたくさん紹介されていて、とても面白いです。さすが100万部突破しただけのことはある!

でも、ここで紹介されている技術って、一般の人たちに役立つか、というと???です。AMAZONでずいぶん評価が割れているのはこのためでしょうか?

「聞く力」を養成するための本としてではなく、娯楽本として読めば、とても楽しめる一冊だと思います。

2012年12月8日土曜日

改訂版キクタンAdvanced6000 (アルク学参シリーズ) [単行本]

一杉武史 (著) :改訂版キクタンAdvanced6000 (アルク学参シリーズ) [単行本]、アルク; 改訂版 (2012/7/7)

本には、単語とその和訳、その単語を使ったフレーズと例文が載っています。また、付属の2枚のCDには単語とその和訳(1番目の和訳のみ)がいわゆるチャンツ形式で(音楽にあわせて)収録されています。単語は6000語レベルです。

AMAZONでの評判は必ずしもいいわけではありません。収録単語数が少ないという意見が結構あるようです。見出しの単語はたしかに900語程度と少ないのですが、派生語を含めると、おそらく3000語くらいはあるのではと思います。決して少なくはないと思います。

むしろ問題なのは訳の方でしょうか?

訳が個性的?!...というか,...何というか?

各単語に複数の訳が載っているのですが、「この訳が一番最初はないだろう!」というのがけっこうありました。まあ全ての訳をちゃんと見れば問題はないと思うのですが、ただCDには一番目の訳しか吹き込まれていません。単語と1番目の訳の一対一対応で覚えてしまうと、ちょっと問題かも?

 

2012年12月1日土曜日

9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方

福島 文二郎:9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方、中経出版 (2010/11/25)

とてもいい本です。

どんな人でも最高の人材に変える「しくみ」と「しかけ」について書かれています。企業だけでなく、他の人を育てる世界にも適用できる方法論だと思います。

書かれていることは当たり前のことかも知れません。AMAZONでの評価が分かれている理由はここにあると思います。私も、以前、別の本で同様なことが書かれているのを見たことがあります。それで、その時に、それを実践しようとしたのですが、いつの間にか、ほんとうでない自分の姿を下の人に見せることが面倒くさくなってしまいました。ありのままに生きる方が楽ですし、仕事が進めば、人を育てることはどうでもいいと思ってしまったのでしょう。

私が忘れかけていたことを思い出させてくれたこの本に感謝したいと思います。

2012年11月25日日曜日

「センサ」のキホン (イチバンやさしい理工系) [単行本]

都甲 潔 (著), 小野寺 武 (著), 南戸 秀仁 (著),高野 則之 (著) :「センサ」のキホン (イチバンやさしい理工系) [単行本]、ソフトバンククリエイティブ (2012/5/26)

人間の五感(視覚、触覚、聴覚、味覚、臭覚)に相当するセンサー、人間の五感では測れない量を測定する超五感センサー、そして、放射線を測定するセンサー、について解説しています。

この本のタイトルでは「基本」をカタカナで「キホン」と書いてあり、かなり初歩的な内容を扱っているような印象をタイトルからは受けます。ところが、読んでみると、広範囲に及ぶ内容が結構深いところまで解説されています。センサーに関して素人の私には、ちょっと難しいところもありました。

章によって、内容の詳細さは難易度が異なります。最初の視覚、触覚センサーはもう少し詳しく、かつ分かりやすい説明が(個人的には)欲しかったです。

2012年11月18日日曜日

すらすら読める歎異抄

ひろ さちや (著):すらすら読める歎異抄、講談社 (2003/7/14)

歎異抄は、浄土真宗の開祖である親鸞の語録集です。親鸞の死後、親鸞の教えが歪められ、それを嘆いて親鸞に師事していた唯円が書いた、と言われています。

 以前読んだ「すらすら読める養生訓」が読みやすくて良かったので、この本もきっと読みやすいのだろうと思って、読んでみたのですが、...

「すらすら」とは読めませんでした。内容はなかなか難しいです。原文はもちろん、現代語訳を読んでもよく理解できない部分がありました。

それと、現代語訳に再三登場する「お念仏」や「お浄土」という「お」の字が気になりました。原文には「お」は付いていません。このことから、この本は単なる古典の解説本ではなく、著者であるひろさちや氏の信仰心の入った仏教書である、と思いました。

2012年11月12日月曜日

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

リチャード P. ファインマン:ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)、岩波書店 (2000/1/14)

ノーベル物理学賞の受賞者であるファインマンの自伝です。

理科系の人たちの間ではかなり有名な本で、私も以前から読んでみたいと思っていました。

好奇心旺盛で、いたずら好きのファインマン。原著の副題に、Adventures of a Curious Character「好奇心の強い人物の冒険」とありますが、これはこの本を表現するのにぴったりの言葉だと思います。

一番印象に残ったのは、ロスアラモスでの原爆開発の話です。原爆の実験に成功し、歓喜に沸く科学者たち。そんな中にファインマンもいました。

「戦争は人間に理性を失わせる!」

このことを,この本は私に思い知らせてくれました。

しかし,...そんな中で、「とんでもないものを造ってしまった」と落ち込む一人の科学者(ボブ・ウィルソン)がいたことは、せめてもの心の救いでした。

2012年11月6日火曜日

おじさん図鑑 [単行本]

なかむら るみ :おじさん図鑑 [単行本]、小学館 (2011/12/7)

なかなかユニークな一冊!

著者が街角で見かけた様々なおじさんをイラストにして、特徴をもとに分類した本です。

どこでいつ見かけたかが書いてあるので、「これは俺かも?」とか「これはあの人かも?」という心当たりがあるかもしれません。

イラストはおじさんの特徴を誇張せずに描かれているので、好感を持てます(逆に、某書のイラストは誇張しすぎて、おじさんをバカにしているようで、嫌悪感を感じてしまいます)。

おじさんのインタビューもGOODです。

難を言えば、文字がとても小さい点でしょうか。この字の大きさだと、おじさんがこの本を読むのはちょっと辛いと思います。

2012年11月1日木曜日

大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)

中村 仁一 (著) :大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)、幻冬舎 (2012/1/28)

この本では、治療をいっさい受けずに自然に死んでいく自然死を薦めています。

癌でさえも、治療を受けなければ、穏やかに死ねる、と著者は言っています。本当でしょうか?他人から見たら穏やかに見えるというだけで、死を迎えた本人は、痛みを訴えたり、苦しんだりする力すらないということではないのでしょうか?

医師である著者が「医療とかかわるな」という本を執筆されるのはとても画期的なことですが、書かれている内容を、はたして、どこまで信じていいのやら?

内容は疑問に感じましたが、文章は痛快でした。



※今年の目標の読書50冊を達成しました!

2012年10月28日日曜日

はじめてのゲーム理論 (ブルーバックス)

川越 敏司 (著) :はじめてのゲーム理論 (ブルーバックス)、講談社 (2012/8/21)

ゲームなどの相手のいる状況での意思決定を理論的に扱うゲーム理論。本来は数式がたくさん登場する難しい理論だと思います。それをこの本では数式をほとんど使わず、具体的な事例をたくさん入れて、とても丁寧に解説しています。...それでも、理論そのものの考え方はちょっと難しく感じました。

量子物理学の考え方を導入した量子ゲームの話は、興味津々で読みましたが、読んだ後は「なんやそれ?!」と思わず本に突っ込みを入れてしまいました。

 

2012年10月21日日曜日

すらすら読める養生訓 [単行本]

立川 昭二 (著):すらすら読める養生訓 [単行本]、講談社 (2005/1/13)

以前から読みたいと思っていた貝原益軒の養生訓。江戸時代に書かれた健康法です。

「すらすら読める」というタイトルに惹かれて、この本に読みました。古文であるにもかかわらず、たしかにすらすらと読めます!ページの上段に養生訓の原文、下段にその現代語訳、そして、区切りのいいところで解説があります。この解説がなかなかよかった!たぶん、解説なしでは十分には理解できなかったと思います。

単なる健康法ではなく、貝原益軒の思想・哲学に基づいていることがよく分かりました。この点が現代の健康法との非常に大きな違いではないかと思いました。

2012年10月13日土曜日

起きていることはすべて正しい―運を戦略的につかむ勝間式4つの技術 [単行本]

勝間 和代 (著):起きていることはすべて正しい―運を戦略的につかむ勝間式4つの技術 [単行本]、ダイヤモンド社 (2008/11/29)

不運をも幸運に変えて、運を実力にする”メンタル筋力”を鍛えるための方法論が示されています。

扱っているテーマは魅力的なのですが、内容と文章はちょっとどうかな????人によってかなり評価は分かれると思います。

著者の解釈が明らかにおかしい箇所があったり、言葉の定義が明確でなかったり、文法に変なところがあったりで、...十分に時間をかけて推敲されたとは私には思えないです。フォトリーディングなどの個々の方法には興味を持てましたが、...。

2012年10月8日月曜日

脳活習慣―100歳まで楽しく生きる [単行本]

久保田 競 (著) :脳活習慣―100歳まで楽しく生きる [単行本],海竜社 (2012/06)

最近、脳が急に衰えてきたので、この本を読むことにしました。

“脳に良い”とされている食べ物やジョギングなどについて解説されています。サイエンティフィックな部分と著者の経験から話が構成されています。

著者は医学博士ですが、以前読んだ他の著者(この著者も医学博士)の本と全く逆の主張がありました。どちらを信じていいのか?

お年寄りが読むことを想定してか、字は大きめです。あっと言う間に読めました。

2012年10月6日土曜日

ナショナルジオグラフィック傑作写真ベスト100 [単行本]

ナショナルジオグラフィック (著, 編集) :ナショナルジオグラフィック傑作写真ベスト100 [単行本],日経ナショナルジオグラフィック社 (2002/2/15)

ナショナルジオグラフィックは世界の様々な地域で撮影した写真を中心としたジャーナルです。そのナショナルジオグラフィックで114年間に掲載された数百万点の写真の中からセレクトされたベスト100!さすがにすばらしい。

どの写真もただの2次元画像ではありません。写真が物語を語り、何かを訴えてくるのです!

表紙のアフガニスタン難民の少女の写真だけでもかなりインパクトがあるのですが、それにも勝るとも劣らない写真が満載です。久々に凄いものを見ました。

2012年9月29日土曜日

工学部ヒラノ教授の事件ファイル [単行本]

今野 浩 (著) :工学部ヒラノ教授の事件ファイル [単行本]、新潮社 (2012/6/18)

前作の「工学部ヒラノ教授」がなかなか面白かったので,続編のこの本も読んでみることにしました.

大学で実際に起こった様々な事件や不正行為,ハラスメントなどについて書かれた暴露&自白の本です.

著者本人がカラ出張した話などもあって,...こんなこと書いて大丈夫ですか?,今野先生!

前作と違い,”面白い”という言葉は,本作を表現するのに適切でないと思います(つまらないという意味ではありません) .なにか重苦しいです。特に最後の2つの章で書かれている“キャンパス内での殺人事件”と“福島の原発事故”の話は,とてもヘビーです.読み終えた後,なんだか陰鬱な気分になってしまいました.

2012年9月28日金曜日

カワウソ [単行本(ソフトカバー)]

佐藤 淳一 (著):カワウソ [単行本(ソフトカバー)]、東京書籍 (2010/3/24)

これはカワイイ!癒されること間違いなし!

これまで動物園や水族館でカワウソを見て,カワイイとは思っていたのですが,この写真集,カワイ過ぎです.ところどころに入っている著者の短い言葉もナイスです.

中でも気に入ったのは,父さんカワウソが,一所懸命,子育てをしている写真です.愛情いっぱいのお父さんの姿は,何か,微笑ましいです.

2012年9月22日土曜日

Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学 [単行本]

ケン・シーガル (著), 林 信行 (監修), 高橋 則明(翻訳) :
Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学 [単行本],
NHK出版 (2012/5/23)

アップル社のスティーブ・ジョブズと一緒に仕事をしたケン・シーガルが、アップル社の「シンプル」という哲学について書いた本。スティーブ・ジョブズとの様々なエピソードが紹介されていて面白いです。

有能な少人数のチームで、容赦なくストレートに意見を言い、社内の意思決定プロセスもシンプルに、...などなど。これは、ワンマン社長の率いる小さい企業であれば可能かもしれませんが、組織としてのプロセスを重視する大企業では難しいやり方だと思います。こんなやり方を今や大企業のアップルがやっているとは驚きです。

英文独特の比喩的表現が非常に多いです。訳者はたぶんかなり苦労されたのではないかと思います。

2012年9月20日木曜日

日本列島 いきものたちの物語 [単行本]

映画「日本列島 いきものたちの物語」製作委員会 (著), 岩合光昭 (写真), 中村征夫 (写真) :日本列島 いきものたちの物語 [単行本]、角川書店(角川グループパブリッシング) (2012/2/1)

ヒグマ、キタキツネ、アザラシ、ニホンザル、などいろいろな日本の野生のいきものが紹介されています。

なかでも可愛かったのは六甲のウリボーかな。それと、クマノミの「ムフッ」とした顔面拡大写真、なにか“おっさん”のようで、個人的にはとても親近感を覚えます。

癒されました!

2012年9月17日月曜日

川島隆太の脳の老化は自分で防げる [単行本]

川島 隆太 (監修):川島隆太の脳の老化は自分で防げる [単行本]、講談社 (2005/6/1)

単純な計算と音読がボケの予防になる!これを検証するために行われた研究の話が中心です。

難しい計算より単純な計算の方が脳を活性化させるとは、驚きました。脳機能イメージングの結果はとても説得力があります。それと音読はやはり脳にいいのですね。

しかし、この本、監修はあの有名な川島先生ですが、著者がだれなのかどこにも書いていません。いったいどなたが書いたのでしょうか?

2012年9月9日日曜日

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

本川 達雄 (著):ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)、中央公論社 (1992/08)

動物のサイズと時間の関係について書かれた本。

時間は絶対的なものではなく、伸び縮みすることが現代物理学では明らかにされています。そして、この本では、動物のサイズによって、つまり生物学的に、その動物にとっての時間が変わることが示されています。これはオモロイ!

動物のサイズによって、寿命の長さはかなり変わりますが、寿命のの長短にかかわらず、一生のうちに心臓の打つ回数や呼吸の回数は同じとは...。ゆっくり呼吸したら長生きできるのかな...などと変なことを考えてしまいました。

最後の棘皮動物などの話は、本書のテーマからは外れるものの、これもまた興味深い話です。

まちがいなく良書です!

2012年9月2日日曜日

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)

長谷川 英祐 (著) :働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)、メディアファクトリー (2010/12/21)

読み始める前は、「怠け者の人が自分を正当化するために読むような本か?」、と勝手に思い込んでいましたが、...

ぜんぜん違ってました。

まったくの生物学の本です!

アリやハチなど、集団で社会を作って行動する生物について書かれた本です。本書によると、働かないアリも、いざとなったら行動するようです。人間の場合はどうかな...?いざとなっても行動しそうにない人たちもたくさんいるように思えます。ある意味、アリの方が社会性があるのかもしれないと思いました。

その他、交尾したとたんオスの腹を食いちぎるメスのアリの話など、おぞましい話や興味深い話が多々紹介されています。なかなか面白い本だと思いました。

2012年8月19日日曜日

哲学の小径―世界は謎に満ちている! [単行本]

富増 章成 (著), 佐藤 竹右衛門 (イラスト) :哲学の小径―世界は謎に満ちている! [単行本]、講談社 (2003/11)

双子の兄弟が小路で14人の哲学者と次々と出会い、哲学を学んでいくというお話。

物語形式で哲学を学んでいく、というスタイルは、「ソフィーの世界」と似ていますが、こちらはダジャレや冗談が満載で、笑えます。とはいっても、内容は哲学です。おもしろおかしく書かれてはいるのですが、それでもちょっと難しいです。

イラストはなかなか可愛いです!

2012年8月18日土曜日

地球外生命 9の論点 (ブルーバックス)

立花 隆 (著), 佐藤 勝彦 (著)ほか:地球外生命 9の論点 (ブルーバックス)、講談社 (2012/6/21)

生物学と物理学の分野の専門家9人が、自分の専門分野の観点から、地球外生命の存在可能性について論じています。

かなり専門的な内容も含まれていて、少々難解な部分もあります。でも、各専門家は語りかけるような口調で、とても分かりやすく解説しています。

結局、バクテリアのような下等な生物は地球外にいるかもしれない、という意見が多かったように思います。知的生物の存在については、「ちょっとどうかな?」という感じでした。

専門家の皆さんは「ですます調」でしたが、最後の立花隆さんだけ「である調」だったのが、とても気になりました。文体が変わる、頭が少々混乱します。

2012年8月12日日曜日

ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか―工学に立ちはだかる「究極の力学構造」 (ブルーバックス)

鈴森 康一 (著) :ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか―工学に立ちはだかる「究極の力学構造」 (ブルーバックス)、講談社 (2012/4/20)

ロボット研究者があれこれ考え抜いて製作した ロボット の構造が、気がついたら生物と似ていたという話。

柔らかいゴム製ロボットが、人間の○○○と内部構造が似ていた、というのは面白い!でも、○○○はロボットみたいに物を掴んだりはできないですが、...構造や動きは似ていても、目的は違いますね(○○○が何かを知りたい人は本書を見てください)。

似ているという話だけでなく、ロボットと生物の相違点となぜ違うのかについても詳しく解説されています。

個人的にはかなり興味をそそられました。

2012年8月9日木曜日

ねこ鍋―みちのく猫ものがたり [単行本]

奥森 すがり (著) :ねこ鍋―みちのく猫ものがたり [単行本],二見書房 (2007/10/25)

”ねこ鍋”と聞くと,なんだかグロい感じもするのですが,実際には,とても癒される本です.

猫が土鍋に入ってすやすやと眠っている写真,とてもかわいいです!土鍋のふたを開けてておくと,勝手に猫が入るそうなのですが,猫って,周りが何かに囲まれた空間が好きですね.

文章の方は東北弁で書かれていて,私にはなかなか読むのが難しかったです.

 この本のほかに,DVDと写真集も販売されているようです.

2012年8月5日日曜日

「判断力」を強くする - 正しく判断するための14の指針 (ブルーバックス)

藤沢 晃治 (著):「判断力」を強くする - 正しく判断するための14の指針 (ブルーバックス) 、講談社 (2012/6/21)

選択肢がいくつもあった時に、どれを選択するかを決める(つまり、判断する)ための方法が書かれています。

優柔不断な人や判断で失敗を繰り返す人には目から鱗かと思います。

文章も分かりやすいし、良書です。ただ、ブルーバックスなので、もうちょっとサイエンティフィックな判断の話を期待していたのですが、...。


2012年7月29日日曜日

自然現象はなぜ数式で記述できるのか (PHPサイエンス・ワールド新書)

志村 史夫 (著) :自然現象はなぜ数式で記述できるのか (PHPサイエンス・ワールド新書) 、PHP研究所 (2010/11/20)

自然現象を数式で記述する”物理学”に親しむための本。

”自然現象”というから、物理以外の内容(たとえば生態系の数理)なども期待していたのですが、書かれていたのは、かなり初歩的な物理でした。しかも、タイトルにある「なぜ数式で記述できるのか?」に対して、筆者は不思議だというだけで、「なぜ?」に対する解答や意見がありません。この点はちょっと残念でした。

それでも、内容は超分かりやすいし、理科系の私が知らなかったことも書かれていて面白いとは思います。物理の勉強を始めた学生さんには、この本はいいかもしれません。

2012年7月21日土曜日

出張ついでのローカル線 (メディアファクトリー新書)

野田 隆 (著) :出張ついでのローカル線 (メディアファクトリー新書)、メディアファクトリー (2011/10/28)

出張先になるような都市圏から数時間から半日くらいで行けるローカル線の旅を紹介した本。

ローカル線そのものだけでなく、沿線の観光や名物も紹介しています。この本を読めば、必ず旅をしたくなると思います。

文章を減らして、その分もっと写真が多いと良かったかな?できれば、カラー写真が欲しかった。それを考えると、新書ではなく、写真満載の単行本の方が良かったかなと思います。逆に、「どうして新書なの?」と言いたくなってしまいます。

2012年7月14日土曜日

CAD/CAM/CAE入門 (図解メカトロニクス入門シリーズ)

安田 仁彦 (著):CAD/CAM/CAE入門 (図解メカトロニクス入門シリーズ)、オーム社; 改訂2版 (1999/03)

製品を効率よく設計・生産するためのコンピュータシステムであるCAD/CAM/CAEの入門書です

CAD/CAM/CAEシステムの使い方ではなく、原理や理論について解説されていて、そういう分野の勉強をしたい大学生向きかな。

基本的な部分が網羅されていて、なかなか良い本だと思います。ただ、この改定版が出て、10年以上経っているため、内容はちょっと古くなってしまっています。さらなる改定版をぜひ出していただきたいです。

2012年7月8日日曜日

続・星守る犬

村上 たかし (著) :続・星守る犬、双葉社 (2011/3/16)

前作のような泣かせる話ではありませんが、なかなかええ話です。

前作で登場したハッピーの双子の弟犬チビの話と、これまた前作で登場した財布を盗んだ少年の話、から構成されています。この2つの話と前作の話とが交錯しながら進んでいきます。思えば、私たちもそれぞれ自分のストーリーをもっていて、それが他のストーリーとところどころで交錯していて、人間が生きるとはそういうことなのか、と変に感心してしまいました。

人間模様や登場人物の心情の変化がなかなか面白いです。今回登場するパグのキャラもGOODです。

2012年6月29日金曜日

医療機器が一番わかる (しくみ図解シリーズ)

岡田 正彦 (著):医療機器が一番わかる (しくみ図解シリーズ)、技術評論社 (2009/2/4)

とっても分かりやすい医療機器の解説書です。

医師である著者が書いたこの本は、工学者が書いた医療機器の本とは、一味も二味も違います。医師の立場から、医療機器でどのような病気が分かるかや、その病気の解説もされています。もちろん、医療機器の原理についても解説されていて、入門書としてはなかなかの良書だと思います。

エンジニアやエンジニアを志す人にはちょっと物足りないかな?

2012年6月27日水曜日

おもしろ科学モノ情報200選〈2000年版〉

後藤 富治 (著), 村上 聡 (著) :おもしろ科学モノ情報200選〈2000年版〉、日本書籍 (2000/04)

なかなか面白いぞ、この本。

学校の理科の授業で使えそうな物とその入手方法、そして、その物をどのように実験などで使うか、について書かれた本です。理科系の人なら、きっと興味をそそられると思います。

文章自体は、学校での使用に限定して書かれているわけではありません。ただ、ここで紹介されている物の中には、一般の人が扱うのはちょっと危ないかも?と思われるものも少なくありません。

2012年6月22日金曜日

工学部ヒラノ教授 [単行本]

今野 浩 (著) :工学部ヒラノ教授 [単行本]、新潮社 (2011/01)

昔、今野先生の専門書を読んだことがあります。2次元の紙を数式で敷き詰めた、いかにも“数理!”という感じの本でした。そして、その今野先生がこんな本を書かれるとは、....いやはや、恐れ入りました。

この本は、大学の世界で生きてきた今野先生のノンフィクション暴露本です。実名もたくさん挙がっていて、「そこまで書いていいんですか!」、と言いたくなるような内容です。さすがに、伏字にしている箇所もありましたが、...。

大学教授は変な人ばかりで、大学はそんな変人たちが繰り広げる変な世界、というのを改めて感じました。この本の第二弾も出版されたようで、第二弾を読むのが楽しみです。

2012年6月15日金曜日

3Dの時代 [単行本(ソフトカバー)]

深野 暁雄 (著)、渡辺 昌宏 (著):3Dの時代 [単行本(ソフトカバー)]、岩波書店 (2010/7/30)

3D映像、3DAR(Augmented reality)、3Dインターネットなど、3Dに関連する最近の話題を紹介した本。

技術書ではありません。あくまでも”紹介”です。 ですから、専門の人はちょっと物足りなく感じると思います。 

それと、今後どうなっていくかという展望も述べらてていましたが、ちょっと???と感じるところもありました。

2012年5月26日土曜日

はじめて考えるときのように―「わかる」ための哲学的道案内 (PHP文庫)

野矢 茂樹 (著):はじめて考えるときのように―「わかる」ための哲学的道案内 (PHP文庫) 、PHP研究所 (2004/08)

考えるとはいったいどういうことか?そして、考えるという行為をどのように行うのか?そういったことに、若者に語りかけるような口調で答えてくれる本です。

文章と関係ないイラストに違和感を覚えながら読み進めました。そして、最後のあとがきで「挿し絵ではなく、絵は絵でひとつの物語を作りたい。それで最後に文章と絵が交わるような、そんな一連のイラスト」と書かれているのを見て、私はハッと思い、慌てて最初からイラストだけを見ていきました。イラストから想像を膨らませ、イラストに描かれた主人公は「問題を抱え、その問題のまなざしでものごとを見る」ことを2ヶ月にもわたりしていたんだ、ということにハタと気づきました。

なんて素敵な本なんだ!

2012年5月19日土曜日

CGがわかる本 (なるほどナットク!) [単行本]

横枕 雄一郎 (著):CGがわかる本 (なるほどナットク!) [単行本]、オーム社 (2002/01)

CG(コンピュータ・グラフィックス)の解説書です。よくぞここまでコンパクトにまとめたなあ、と思います。

CGの理論は数式がたくさん登場するけっこう難解な分野なのですが、それを、この本では、数式を使わず、読者に分かったような気にさせてくれます(数式を理解しないと、ほんとうに分かったことにはならないと思います)。

10年前に書かれた本なので、内容的にちょっと古くなっている部分もありますが、ほとんどの内容は現在でも通用するものなので、入門書としては、十分適していると思います(最適かどうかは分かりませんが、...)。

表紙のCGのキャラクターの頭の上にのっかっている物は何なのかな?ちょっと気になります。



2012年5月12日土曜日

采配 [単行本(ソフトカバー)]

落合博満 (著) :采配 [単行本(ソフトカバー)]、ダイヤモンド社 (2011/11/17)

この本、1月に図書館で予約し、やっと順番がまわってきました。何と4か月も待ちました。「そんなに人気の本なのか!」と期待して読み始めましたが...期待以上のなかなかの本でした。

「いかにして勝つか」や「いかにして人を育てるか」などに対する落合流の考え方が記されています。いわゆるコーチングの手法が基本になっていると思うのですが、落合さん独自の部分も多く、それは明らかに野村監督や星野監督の手法とはとは異なり、とても興味深いです。

また、落合さんが監督時代の様々なエピソードも盛り込まれていて、「あの時はそういうことだったのか」が分かります。プロ野球ファンにはたまりません。

2012年5月4日金曜日

日本以外全部沈没―パニック短篇集 (角川文庫)

筒井 康隆 (著):日本以外全部沈没―パニック短篇集 (角川文庫)、角川書店 (2006/06)

11本の短編が収録されています。本書のタイトルにもなっている「日本以外全部沈没」はそのうちの1話です。この話は小松左京氏の「日本沈没」のパロディなのですが、一言で言えば、ハチャメチャな話!日本以外の世界が海に沈んだため、世界の著名人が日本に集まり、日本で落ちぶれた生き方をしている...という話なのですが、実在の著名人がたくさん登場します。フィクションとは言え、クレームが出たりしないのかな?

11話のなかでは、「日本以外全部沈没」は、面白さの点でランクは下の方かなと思います。「ヒノマル酒場」が一番面白かったです。

収録されている11話はいずれも昭和の時代に執筆されたもので、当時の時代背景が分からないと理解できない部分もあります。特に「日本列島七曲り」の最後の落ち「亜細亜の化けもの」はさっぱり分からず、これが、もう、気になって、気になって...。ネットで調べるも結局分からずじまいでした。

2012年4月29日日曜日

理系のためのクラウド知的生産術 (ブルーバックス)

堀 正岳 (著) :理系のためのクラウド知的生産術 (ブルーバックス) 、講談社 (2012/1/20)

理系の人(特に研究者)を対象に、gmailやGoogleCalenderに代表されるクラウドサービスをいかに活用するかを解説した本。

クラウドサービスを網羅的に列挙するのではなく、筆者が役立つと思ったものに限定して、解説しているのがとてもよかったと思います。

クラウドを使いこなせば、仕事が効率化して、その分、自分の時間を増やせるとは思いますが、...使い方をマスターするまでに時間がかかってしまいます。この本で紹介されていたエバーノートをさっそくインストールして使い始めましたが、使い方がよく分からず、結局、少し使っただけで終了!

この本で紹介されていた「関連する文献が自動的に手元に届くサービス」は良さそうですね!でも、やり方がいまいちよく分からず、クラウドサービスを使いこなせない自分がだんだん情けなく感じてきました。トホホ。



今月は、なんとか4冊をクリアー!

2012年4月22日日曜日

日本トンデモ祭―珍祭・奇祭きてれつガイド

杉岡 幸徳 (著):日本トンデモ祭―珍祭・奇祭きてれつガイド、美術出版社 (2005/9/16)

日本の奇祭を紹介したとてもユニークで面白い本です。

私が知っていたのは、田県神社の豊年祭。巨大○○○を乗せた神輿を担いで練り歩くという、外国にも知られた奇祭です。この本では、この豊年祭にも勝るとも劣らない数々の奇妙な祭りが紹介されています。その奇妙さには圧倒されます!

著者の文章もナイスです。笑わせてくれます。問題点を強いて言えば、写真が小さくて見難いところかな。


2012年4月15日日曜日

史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵

Mary Buffett (原著), David Clark (原著), 峯村 利哉 (翻訳) :史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵、徳間書店 (2008/01)

有名な投資家ウォーレン・バフェット氏の発言を著者が教訓集としてまとめたものです。著者の一人のメアリー・バフェットさんは、ウォーレン・バフェット氏の息子の元妻だそうです。今は妻ではないのだから名字はバフェットではないはずですが、...。

125の教訓から構成されていますが、結局、言いたいことは「長期的経済価値の高い会社の株を安い時に買って、長期間保有する」の一点につきそうです。

当たり前のような教訓が多々ありますが、ちょっと面白いかなという教訓もありました。投資家の方々に、この本がどの程度役に立つかはちょっと???です。

2012年4月10日火曜日

世界で一番美しい元素図鑑

セオドア・グレイ (著), 若林文高 (監修), ニック・マン (写真), 武井摩利 (翻訳) :世界で一番美しい元素図鑑、創元社; 初版 (2010/10/22)

元素コレクターの著者が集めた数々の品の美しい写真、そして、ところどころでちょっとふざけた解説文。

掲載されている写真は、純粋な元素の塊だけでなく、その元素を使った化合物や商品、鉱物などです。危険な物もけっこうあります。しかし、これだけよく集めたなあ~。

今回、図書館で借りて読みましたが、この本は手元に置いておきたい一冊です。

2012年3月31日土曜日

なぜ、体はひとりでに治るのか ―健康を保つ自然治癒の科学― (知りたい!サイエンス)

中西 貴之 (著) :なぜ、体はひとりでに治るのか ―健康を保つ自然治癒の科学― (知りたい!サイエンス)、技術評論社(2010/3/30)

これはなかなかの良書だと思います。

病原菌や癌細胞に対する免疫の働きや人体を修復する仕組み、そして、イモリなどの尾や足が切断されても再生される仕組み、について解説しています。とても分かりやすいです。

この本に挿入されているイラスト、ちょっと気になります。可愛い感じの女の子のイラストは、理系の解説本ではあまり見かけないです。どなたが描かれたのか知りませんが、...。

2012年3月25日日曜日

遠野物語 (集英社文庫)

柳田 国男 (著):遠野物語 (集英社文庫),集英社(1991/12/13)

前回、水木しげるの遠野物語を読んでみて、柳田国男さんの原作も読んでみたくなりました。

この集英社の本ですが、「遠野物語」以外に、「女の咲顔」、「雪国の春」など6つの話も収録されています。驚いたのは、遠野物語だけ文体が異なるという点!他の話は現代文ですが、遠野物語は古文調なのです。過去からの伝承という感じを出すために、このような文体にしたのかと思います。遠野物語が高く評価されている所以は、おそらく、常人には書けないこの簡潔な古文体にあると思います。

遠野物語の内容は、水木しげるの遠野物語でも書きましたが、遠野地方に伝わる妖怪や神など様々な話から構成され、一つ一つの話はとても短いです。水木しげるさんの本を先に読んでいたので、書かれている内容はすんなり理解できました。原作を先に読んでいたら、理解できない部分があったかもしれません。

2012年3月21日水曜日

水木しげるの遠野物語 (ビッグコミックススペシャル)

水木しげる:水木しげるの遠野物語 (ビッグコミックススペシャル),小学館 (2010/1/29)

マンガはめったに読まない私ですが、この本は、図書館で見つけた途端、読みたくなりました。柳田国男さんの遠野物語を水木しげるさんがマンガ化したものです。

遠野物語は、岩手県遠野地方に伝わる100以上の話から構成されています。その中には、山神、ざしきわらし、河童、天狗などの神や妖怪の話から奇怪な事件まで、様々です。

この本は、基本は「いかにも水木しげる!」という感じのマンガですが、鬼太郎のような娯楽性はなく、柳田国男さんの原作を忠実にマンガ化しています。原作の言葉もところどころで使われています。

また、マンガの合間に遠野地方の紹介などのコラムが挿入されていて、原作からは分からないいろいろなことを知ることができ、これがなかなか良かったです。コラムでは、子供には難しい言葉も使われていて、この本が子供向けの娯楽本ではないことを感じさせます。

2012年3月17日土曜日

知らないと損する 池上彰のお金の学校 (朝日新書)

池上 彰 (著) :知らないと損する 池上彰のお金の学校 (朝日新書)、朝日新聞出版 (2011/10/13)

私たちにとって身近な、「銀行」、「保険」、「税金」などのお金の関わる事柄について詳しく解説した本です。分かりやすい文章を書くことにかけては、池上 彰さんはやはりピカイチです。 たぶん中学生でも読めると思います。

「値」や「サラリー」などのお金に関する言葉の起源の話が出てきます。ここは池上 彰さんらしいですね。

同じ「お金の学校」という言葉をタイトルに使った本として「勝間和代のお金の学校」がありますが、この勝間さんの本と池上彰さんの本とはある意味対照的だと思います。勝間さんの本はお金の専門家が書いた本。このため、ちょっとデープな話も出てきます。それに対して、池上彰さんの本は、専門家でない 池上彰さんが自分で様々な情報を集めて、一般人の目線で書いた本です。このため、 この本は 一般人がお金の勉強をするために読むにはぴったりだと思います。

2012年3月8日木曜日

磯野家の相続

長谷川 裕雅 (著) :磯野家の相続,すばる舎 (2010/9/21)

以前読んだ「磯野家の相続税」がなかなか分かりやすかったので,その前作にあたるこの本も読むことにしました.

磯野家の相続税」と同様な書き方で,あの磯野家を題材に,相続や遺言書などについて解説するという内容です.磯野家の相続シミュレーションを用いて説明しているので,とても分かりやすいのですが,「磯野家の相続税」に比べると,ところどころ難解なところもありました.「磯野家の相続税」と重複する部分はありません.

遺言書は,ちゃんとルールに従って書かないと無効になるとことがよく分かりました.こんなルールを知っている人はどの程度いるのでしょうか?たぶん,世の中にある遺言書のほとんどは無効になるのではと思いました.

それと,この本の後半から,磯野家が登場しなくなり,普通の相続の解説になってしまっています.どうせなら最後まで登場させて欲しかったです.まあ,...でも,...「磯野家の相続税」と同じく,良書です!

2012年2月28日火曜日

ミーティングの英語表現 (日経文庫)

デイビッド セイン (著), マーク スプーン (著):ミーティングの英語表現 (日経文庫) 、日本経済新聞社 (2006/03)

以前,読んだ「プレゼンテーションの英語表現 (日経文庫)」と同じ著者で本の書き方も同じです.

会議の様々な場面で使う英語のフレーズを紹介しています.日本人が書いた本の場合,「ほんとうにこんな言い方をするのか?」と疑ってしまいますが,その点,この本はネイティブが書いた本なので,信用して読み進めることができます.

ただ,読んだだけではどうしてもフレーズを憶えられません.やはり,以前「プレゼンテーションの英語表現 (日経文庫)」の時にも書いたように,フレーズを録音したCDが欲しいところです.

昨年から読み始めた本ですが,読むのに3ヶ月もかかってしまいました.憶えようとすると,やはり時間がかかってしまいますね.





これで今月は5冊目です.

2012年2月25日土曜日

身近で発見 スゴイ科学 不思議な科学 (知りたい!サイエンス)

吉村 忠与志 (著):身近で発見 スゴイ科学 不思議な科学 (知りたい!サイエンス),技術評論社 (2009/9/29)

さび,炭酸飲料,電池など,私たちの身近な世界における科学について解説した本.

この手の本は今まで何冊か読んできましたが,いずれもとても興味をそそられます. また,分かっているようで,分かってなかったことがたくさんあって,驚かされます.

非常にたくさんの科学の話が載っていますが,一番面白かったのはスカンクのおならを薄めるとマツタケの香りがするという話.ホンマカイナ?

2012年2月17日金曜日

へんな数式美術館 ~世界を表すミョーな数式の数々~ (知りたい!サイエンス)

竹内 薫 (著): へんな数式美術館 ~世界を表すミョーな数式の数々~ (知りたい!サイエンス) [単行本(ソフトカバー)],技術評論社 (2008/7/26)

こりゃ,また,ユニークな本だ!

数学や物理の分野で有名な様々な数式を鑑賞する...という本です.登場する数式について,もしちゃんとした説明をすると相当難しくなるので,説明ではなく,あくまでも鑑賞して,読者を分かったような気にさせてくれます.

...と言っても,そこそこの数学の知識がないと,分かった気にもなれないと思います.

「結び目の多項式」とゲーデルのところは,さっぱり分からなかったです.これはやはり私に予備知識がなかったためでしょうか?

2012年2月11日土曜日

史上最強のロボット!(ナレッジエンタ読本20)

高橋 智隆 (著)、柳田 理科雄 (著):史上最強のロボット!(ナレッジエンタ読本20)、メディアファクトリー (2009/6/3)

ロボットクリエイターの高橋 智隆さんと空想科学読本の柳田理科雄さん、というとてもユニークなお二人の対談を本にしたもの。

格闘に強い、速い、しぶとい、などいろいろな切り口で、最強のロボットについて議論するという内容です。アニメに登場するロボットの話が中心です。

しかし、お二人ともアニメに登場するロボットをよく知っていて、驚かされます。二人ともテレビの見すぎ!


2012年2月5日日曜日

伝える力2 (PHPビジネス新書)

池上 彰 (著):伝える力2 (PHPビジネス新書)、PHP研究所 (2011/12/15)

前作の「伝える力」に続く第二弾です。

「話す」、「書く」、「聞く」ためのテクニカルな話はもちろんあるのですが、報道やテレビでの裏話や政治家の〝伝える力”の評価などに結構ページが割かれていて、テクニカルな話よりも、こちらの方が面白かったです。

テクニカルな話の中では、伝えたい内容に因数分解を導入して分かりやすくする方法はとても興味深かったです。

前作の時にブログで「余白が多い」と書いたのですが、第二弾では1ページ当たりの文字数は結構多く、余白は少なかったです。誰かから「余白が多い!」と指摘をされたのかな?

2012年1月31日火曜日

生体情報工学 (バイオメカニズム・ライブラリー)

赤沢 堅造 (著), バイオメカニズム学会 (編集) :生体情報工学 (バイオメカニズム・ライブラリー) 、東京電機大学出版局 (2001/05)

細胞や脳,筋肉などの生体における情報処理について解説した本です.

各章の初めに真空管や自転車などの人工物を取りあげ,そして,それと似た構造や機能をもつ生体について説明されています.この点では,とてもユニークな一冊と言えると思います.

とてもコンパクトにまとまった本なので,一見,初学者向けのように見えますが, ....
入門書ではありません!

この本の“はじめに”で「理工系の学部上級生および大学院生向け」と書かれているように,そこそこの予備知識が必要です.私の場合,この本の前半と最後の遺伝子の部分は分かったのですが,それ以外はなかなか理解するのが難しかったです.

もうちょっと説明が欲しかった...というのが正直な感想です.



今月は,これで6冊!出だしは好調!

2012年1月28日土曜日

磯野家の相続税

長谷川裕雅 (著) :磯野家の相続税、すばる舎 (2011/9/21)

とても難解な相続税について、あの磯野家を例に分かりやすく解説した本です。

とてもよく書けた本だと思います。普通の相続税の解説本だと、読むのがたぶん苦痛になると思いますが、この本のように、例をあげて相続税のシミュレーションをしてくれると、とても理解しやすいです。しかも、その例が「磯野家」ですから、関心をもって読むことができます。

著者が長谷川裕雅さんですが、サザエさんの著者の長谷川 町子さんとは何ら関係はないそうです。そして、カバーデザインが福田和雄さんですが、フグ田マスオさんとはもちろん関係がありません(笑)。

2012年1月22日日曜日

誰とでも15分以上 会話がとぎれない!話し方 やっぱり大事!!46のルール

野口敏 (著):誰とでも15分以上 会話がとぎれない!話し方 やっぱり大事!!46のルール、すばる舎 (2010/4/20)

誰とでも 15分以上 会話がとぎれない!話し方 66のルール」に続く、第二弾。前著では紹介されなかった会話を続けさせるルールが、とても具体的に紹介されています。

正直、「ちょっとこれはどうかな?」と思うルールもありましたが、全体的には話下手の人にはとても参考になると思います。

気になったのは、空白が多い(1ページ当たりの字数が少ない)点です。空白を少なくすると100ページに収まるような内容を、無理やり230ページにしたという感じがしないでもないです。

2012年1月14日土曜日

日本のもと 技術

山根 一眞:日本のもと 技術、講談社 (2011/11/25)

火を起こす技術や金属で作る技術など、現代社会のもとになる技術がいつごろ開発され、それらが日本でどのように改良されていったか、そして、日本で開発された技術と未来の技術について、解説されています。

子供向けに書かれた本ですが、大人でも楽しめるし、勉強にもなる、なかなかの内容です。

本のいたるところに散りばめられたダジャレがとても面白い。




2012年1月8日日曜日

津波 TSUNAMI! [絵本]

小泉 八雲 (著), Ed Young (イラスト)、Kimiko Kajikawa (原著):津波 TSUNAMI! [大型本]、グランまま社 (2011/12)

今日(2012年1月8日)の朝日新聞で紹介された絵本。

原作は小泉八雲で、それをアメリカ在住のKimiko Kajikawaが絵本化したものです。

高台に住むじいさんが津波の押し寄せて来るのを見て、自分の田のイネに火を付けて、村人たちに危険を知らせたというお話です。江戸時代の実話がもとになっています。Ed Youngの物凄い迫力のコラージュがとても印象的です。

出版年を見ると2011年10月とあります。これだけみると、昨年の震災に便乗した絵本のように思う人もいるかもしれません。しかし、朝日新聞の紹介文を読むと、そうではないことが分かります。この絵本は2009年にアメリカで出版され、昨年の震災前に日本での出版権を出版社は得ていたようです。ところが、震災が起こり、出版社は便乗どころか日本での出版をためらったようです。このため出版が10月まで延びたのだと思います。

この本を読んでみて、過去の教訓を未来に伝えることの重要性をひしひしと感じました。子供たちにぜひ読ませたい1冊です。

2012年1月5日木曜日

勝間和代のお金の学校―サブプライムに負けない金融リテラシー [単行本(ソフトカバー)]

勝間 和代:勝間和代のお金の学校―サブプライムに負けない金融リテラシー、日本経済新聞出版社 (2009/4/14)

今年の一冊目は勝間さんの本にしました.

資産運用や経済・金融分野の4人の専門家と勝間さんとの対談を本にしたものです.対談を本にしたという点で,以前紹介した経済ってそういうことだったのか会議と似たところがあります.でも,以下の点で大きく異なります.

それは...

経済ってそういうことだったのか会議では,聞き手役の佐藤雅彦さんが経済の素人で,先生役の竹中平蔵さんはその道の専門家です.このため,竹中平蔵さんは素人でも分かるような解説をされていました.それに対して,この本では,聞き手役の勝間さん自身が経済の専門家であるため,先生役の4人は専門家でないと分からないような話を遠慮なくされています.専門用語もバンバンでてきます.専門用語の解説は本には載っているのですが,それでも本書の内容は全くの素人には分かり難いと思います.

ただ,本書の内容自体(特に,分散投資とSRI)は興味深かったです.AMAZONの評価を見ると随分低いのですが,個人的にはそんなにひどい内容ではないと思いました.