2012年3月31日土曜日

なぜ、体はひとりでに治るのか ―健康を保つ自然治癒の科学― (知りたい!サイエンス)

中西 貴之 (著) :なぜ、体はひとりでに治るのか ―健康を保つ自然治癒の科学― (知りたい!サイエンス)、技術評論社(2010/3/30)

これはなかなかの良書だと思います。

病原菌や癌細胞に対する免疫の働きや人体を修復する仕組み、そして、イモリなどの尾や足が切断されても再生される仕組み、について解説しています。とても分かりやすいです。

この本に挿入されているイラスト、ちょっと気になります。可愛い感じの女の子のイラストは、理系の解説本ではあまり見かけないです。どなたが描かれたのか知りませんが、...。

2012年3月25日日曜日

遠野物語 (集英社文庫)

柳田 国男 (著):遠野物語 (集英社文庫),集英社(1991/12/13)

前回、水木しげるの遠野物語を読んでみて、柳田国男さんの原作も読んでみたくなりました。

この集英社の本ですが、「遠野物語」以外に、「女の咲顔」、「雪国の春」など6つの話も収録されています。驚いたのは、遠野物語だけ文体が異なるという点!他の話は現代文ですが、遠野物語は古文調なのです。過去からの伝承という感じを出すために、このような文体にしたのかと思います。遠野物語が高く評価されている所以は、おそらく、常人には書けないこの簡潔な古文体にあると思います。

遠野物語の内容は、水木しげるの遠野物語でも書きましたが、遠野地方に伝わる妖怪や神など様々な話から構成され、一つ一つの話はとても短いです。水木しげるさんの本を先に読んでいたので、書かれている内容はすんなり理解できました。原作を先に読んでいたら、理解できない部分があったかもしれません。

2012年3月21日水曜日

水木しげるの遠野物語 (ビッグコミックススペシャル)

水木しげる:水木しげるの遠野物語 (ビッグコミックススペシャル),小学館 (2010/1/29)

マンガはめったに読まない私ですが、この本は、図書館で見つけた途端、読みたくなりました。柳田国男さんの遠野物語を水木しげるさんがマンガ化したものです。

遠野物語は、岩手県遠野地方に伝わる100以上の話から構成されています。その中には、山神、ざしきわらし、河童、天狗などの神や妖怪の話から奇怪な事件まで、様々です。

この本は、基本は「いかにも水木しげる!」という感じのマンガですが、鬼太郎のような娯楽性はなく、柳田国男さんの原作を忠実にマンガ化しています。原作の言葉もところどころで使われています。

また、マンガの合間に遠野地方の紹介などのコラムが挿入されていて、原作からは分からないいろいろなことを知ることができ、これがなかなか良かったです。コラムでは、子供には難しい言葉も使われていて、この本が子供向けの娯楽本ではないことを感じさせます。

2012年3月17日土曜日

知らないと損する 池上彰のお金の学校 (朝日新書)

池上 彰 (著) :知らないと損する 池上彰のお金の学校 (朝日新書)、朝日新聞出版 (2011/10/13)

私たちにとって身近な、「銀行」、「保険」、「税金」などのお金の関わる事柄について詳しく解説した本です。分かりやすい文章を書くことにかけては、池上 彰さんはやはりピカイチです。 たぶん中学生でも読めると思います。

「値」や「サラリー」などのお金に関する言葉の起源の話が出てきます。ここは池上 彰さんらしいですね。

同じ「お金の学校」という言葉をタイトルに使った本として「勝間和代のお金の学校」がありますが、この勝間さんの本と池上彰さんの本とはある意味対照的だと思います。勝間さんの本はお金の専門家が書いた本。このため、ちょっとデープな話も出てきます。それに対して、池上彰さんの本は、専門家でない 池上彰さんが自分で様々な情報を集めて、一般人の目線で書いた本です。このため、 この本は 一般人がお金の勉強をするために読むにはぴったりだと思います。

2012年3月8日木曜日

磯野家の相続

長谷川 裕雅 (著) :磯野家の相続,すばる舎 (2010/9/21)

以前読んだ「磯野家の相続税」がなかなか分かりやすかったので,その前作にあたるこの本も読むことにしました.

磯野家の相続税」と同様な書き方で,あの磯野家を題材に,相続や遺言書などについて解説するという内容です.磯野家の相続シミュレーションを用いて説明しているので,とても分かりやすいのですが,「磯野家の相続税」に比べると,ところどころ難解なところもありました.「磯野家の相続税」と重複する部分はありません.

遺言書は,ちゃんとルールに従って書かないと無効になるとことがよく分かりました.こんなルールを知っている人はどの程度いるのでしょうか?たぶん,世の中にある遺言書のほとんどは無効になるのではと思いました.

それと,この本の後半から,磯野家が登場しなくなり,普通の相続の解説になってしまっています.どうせなら最後まで登場させて欲しかったです.まあ,...でも,...「磯野家の相続税」と同じく,良書です!