2011年1月29日土曜日

入門 医工学―医学をサポートする工学 (新・生命科学ライブラリー医学とバイオ)

大島 宣雄 (著) :入門 医工学―医学をサポートする工学 (新・生命科学ライブラリー医学とバイオ)、サイエンス社 (2008/07)

久々に専門書を読みました....と言っても入門書ですが...

医工学とは,工学と医学との融合分野で,医療用の機器や人工臓器などに関わる分野です.この本では、それに加え、再生医療まで解説されています。この広範囲の内容を1冊の本にまとめたことは驚嘆に値します.

本数冊分の内容を1冊に凝縮しているため、不十分な解説になっていますが、これはしょうがないと思います。さらに学習するための本がたくさん挙げられていたのはとても良かったと思います。

医工学の歴史的な話もとても興味深かったです。

1月は何とか目標の4冊を読めました!

2011年1月22日土曜日

こころの処方箋、河合 隼雄 (著)

河合隼雄(著):こころの処方箋 [単行本]、新潮社 (1992/01)

著名な臨床心理学者である河合隼雄さんの本を以前から読みたいと思っていました。

こころに関する55のエッセイから構成されていて、一つ一つのエッセイは短いのでとても読みやすかったです。

「なるほどな」とか「うまいこと言うな」と思えるところが多かったのですが、何となく分かった気になる箇所や、よく分からない箇所もありました。自分にとってはこれからの生き方の指針になるような素晴らしい本だと思いました。著者が有名な方でなかったら、私の感じ方もまた違っていたかもしれませんが、...

一番、心に残った言葉は次の一文です。
「理想は灯台のようなもの、近づき過ぎると難破する。」
うまいこと言うなあ!

2011年1月8日土曜日

この言葉!―生き方を考える50話 (PHP新書)

森本 哲郎 (著) :この言葉!―生き方を考える50話 (PHP新書),PHP研究所 (2000/07)

ゲーテや正岡子規など著名な50人の言葉を取りあげ,それについての解説と著者の考えが書かれた本。なかなかの良書だと思います。

哲学に関連した言葉が比較的多く、個人的にはたいへん興味を持ちました。正岡子規の「平気で生きる」が一番気に入りました。

各言葉に対して4ページを割いているのですが,最後は「...と,ぼくは思う。」など「ぼく」を主語とした文で終わっている場合が多いのが気になりました。この「ぼくは思う」などは無くても文として成立するのですが,敢えて入れているのは,自分の主張であることを強調し、かつ、漢字の「僕」ではなく、ひらがなの「ぼく」を使うことにより、その主張が「ぜったいそうだ」と断言できるほどの人間ではないと謙遜しているのか?...と、ぼくは思う。

2011年1月4日火曜日

岩崎弥太郎と三菱四代 (幻冬舎新書)

河合 敦 (著) :岩崎弥太郎と三菱四代 (幻冬舎新書),幻冬舎 (2010/01)

龍馬伝で登場する三菱の創業者:岩崎弥太郎が実際はどんな人物だったのかを知りたくて,この本を読みました.

岩崎弥太郎は,香川照之が演じたような,大言壮語で,好戦的な人物だったようですね.ただ,龍馬伝で描かれていたような龍馬をライバル視することはなかったようです.長崎で公金を使って遊郭に通いまくって,土佐に帰国させられた話は笑ってしまいました.普通でないという意味で”バカ”だったのだろうと思います.

岩崎弥太郎もさることながら,2代目弥之助,そしてそれに続く久弥、小弥太が奮闘して,現在の三菱,そして日本を作ったことがよく分かりました.それと,利益より国家を考えるというところが,明らかに他の会社と異なることが分かりました.戦闘機を作っている三菱を私は今まであまりよく思っていなかったのですが,この本を読んで,三菱に対する見方が180度変わりました.

史実の解説だけでなく,著者の意見や人生訓も述べられています.これをどう評価するかは人によって意見が分かれるかも知れませんが,「史実を今の時代に生かして欲しい」という著者の思いが込められていて,私は良かったと思います.