2010年9月29日水曜日

星守る犬:何度も読み返し,何度も泣きました.

村上たかし:星守る犬,双葉社 (2009/07)

何度も読み返し,何度も泣きました.

病気を患って,リストラされてしまい,さらに離婚.そんなお父さんと犬が旅に出る話です.

お父さんも犬も死んでしまうところは,フランダースの犬を彷彿させます.でも, フランダースの犬との大きな違いは,この話は現代の日本では普通に起こりうることであり,そして,私達自身がこのお父さんのようになりうるという点です.このため,お父さんに自分を重ね合わせて読んでしまいます.

先日,紹介した「しがみつかない生き方」に書かれていましたが,今の日本では,いったんレールから外れてしまうと,生きること自体が困難な状況になる.そのことを改めて感じてしまいました.

現在,映画化が進行中とのこと.来年の夏に公開される予定だそうで,今から楽しみです.

余談ですが,作者の村上たかしさんが私と同じ町に住んでいることを知り,びっくりしました.

2010年9月26日日曜日

つながりの科学―パーコレーション (ポピュラー・サイエンス)

小田垣 孝 (著): つながりの科学―パーコレーション (ポピュラー・サイエンス) 、裳華房 (2000/05)


この本は、あまり聞き慣れないパーコレーションを解説したものです。パーコレーションとは、うわさ話が人から人へと伝わっていく時の人と人とのつながりや、水道管のつながり、碁盤上の碁石のつながりなど、様々なつながりを科学的にとらえたものです。

「一人の人が平均4.5人以上の人に情報を伝えると、その情報は全国に広がる」や「ビンゴゲームで、約60%の穴があいたときにビンゴになる人が多い」など、身近な事例を使ってパーコレーションを解説されていて、とても面白かったです。

科学を扱う本ですが、数式はほとんど出てこないので、一般の人でも読めると思います。でも、若干難しい箇所もあります。




2010年9月25日土曜日

しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール

香山リカ:しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール、幻冬舎 (2009/07)

香山リカさんと勝間和代さんとの対決?の発端になった本。昨年、話題になり、結構売れたと思います。


特定のものにしがみつかず、のめりこまず、頑張りすぎず、「普通の幸せ」を手に入れようという内容だと思います。精神科医らしい本です。同じく精神科医で作家の斎藤モタさんと何となく共通点があるように思います。


日頃、頑張らないといけないと思っている人にはこの本は良いかも?たぶん、精神的に楽になれると思います。

香山さんが「目先の生活のためだけに仕事をしている」と言い切っているのには少々驚いたし、何とまあ正直な人なのだと思いました。普通の作家なら「仕事する理由」を訊かれたら、もっとかカッコイイことを言うのではないかと思います。

何か好きだな、香山リカ。

2010年9月22日水曜日

頭がいい人、悪い人の話し方

樋口 裕一:頭がいい人、悪い人の話し方,PHP研究所 (2004/06)

いろいろなバカを紹介していると言う点では,以前,紹介した筒井 康隆さんの「アホの壁」と似たところはあるものの,この本は実に後味が悪い!「アホの壁」の方は笑えます!

作者の偏見や先入観に満ち満ちていて,読み進めるうちにだんだん気分が悪くなってきます.これは,私自身が作者の紹介する「頭が悪い人」に当てはまるということもありますが,....

この本に書かれている「頭が悪い人の話し方」をむしろ真似てみようと思うのは私だけか?

それと,「頭のいい人の話し方」も紹介して欲しかったな.

アマゾンでこの本のカスタマーレビューを見たら,やはり酷評されていました.