2012年5月26日土曜日

はじめて考えるときのように―「わかる」ための哲学的道案内 (PHP文庫)

野矢 茂樹 (著):はじめて考えるときのように―「わかる」ための哲学的道案内 (PHP文庫) 、PHP研究所 (2004/08)

考えるとはいったいどういうことか?そして、考えるという行為をどのように行うのか?そういったことに、若者に語りかけるような口調で答えてくれる本です。

文章と関係ないイラストに違和感を覚えながら読み進めました。そして、最後のあとがきで「挿し絵ではなく、絵は絵でひとつの物語を作りたい。それで最後に文章と絵が交わるような、そんな一連のイラスト」と書かれているのを見て、私はハッと思い、慌てて最初からイラストだけを見ていきました。イラストから想像を膨らませ、イラストに描かれた主人公は「問題を抱え、その問題のまなざしでものごとを見る」ことを2ヶ月にもわたりしていたんだ、ということにハタと気づきました。

なんて素敵な本なんだ!

2012年5月19日土曜日

CGがわかる本 (なるほどナットク!) [単行本]

横枕 雄一郎 (著):CGがわかる本 (なるほどナットク!) [単行本]、オーム社 (2002/01)

CG(コンピュータ・グラフィックス)の解説書です。よくぞここまでコンパクトにまとめたなあ、と思います。

CGの理論は数式がたくさん登場するけっこう難解な分野なのですが、それを、この本では、数式を使わず、読者に分かったような気にさせてくれます(数式を理解しないと、ほんとうに分かったことにはならないと思います)。

10年前に書かれた本なので、内容的にちょっと古くなっている部分もありますが、ほとんどの内容は現在でも通用するものなので、入門書としては、十分適していると思います(最適かどうかは分かりませんが、...)。

表紙のCGのキャラクターの頭の上にのっかっている物は何なのかな?ちょっと気になります。



2012年5月12日土曜日

采配 [単行本(ソフトカバー)]

落合博満 (著) :采配 [単行本(ソフトカバー)]、ダイヤモンド社 (2011/11/17)

この本、1月に図書館で予約し、やっと順番がまわってきました。何と4か月も待ちました。「そんなに人気の本なのか!」と期待して読み始めましたが...期待以上のなかなかの本でした。

「いかにして勝つか」や「いかにして人を育てるか」などに対する落合流の考え方が記されています。いわゆるコーチングの手法が基本になっていると思うのですが、落合さん独自の部分も多く、それは明らかに野村監督や星野監督の手法とはとは異なり、とても興味深いです。

また、落合さんが監督時代の様々なエピソードも盛り込まれていて、「あの時はそういうことだったのか」が分かります。プロ野球ファンにはたまりません。

2012年5月4日金曜日

日本以外全部沈没―パニック短篇集 (角川文庫)

筒井 康隆 (著):日本以外全部沈没―パニック短篇集 (角川文庫)、角川書店 (2006/06)

11本の短編が収録されています。本書のタイトルにもなっている「日本以外全部沈没」はそのうちの1話です。この話は小松左京氏の「日本沈没」のパロディなのですが、一言で言えば、ハチャメチャな話!日本以外の世界が海に沈んだため、世界の著名人が日本に集まり、日本で落ちぶれた生き方をしている...という話なのですが、実在の著名人がたくさん登場します。フィクションとは言え、クレームが出たりしないのかな?

11話のなかでは、「日本以外全部沈没」は、面白さの点でランクは下の方かなと思います。「ヒノマル酒場」が一番面白かったです。

収録されている11話はいずれも昭和の時代に執筆されたもので、当時の時代背景が分からないと理解できない部分もあります。特に「日本列島七曲り」の最後の落ち「亜細亜の化けもの」はさっぱり分からず、これが、もう、気になって、気になって...。ネットで調べるも結局分からずじまいでした。