2012年1月31日火曜日

生体情報工学 (バイオメカニズム・ライブラリー)

赤沢 堅造 (著), バイオメカニズム学会 (編集) :生体情報工学 (バイオメカニズム・ライブラリー) 、東京電機大学出版局 (2001/05)

細胞や脳,筋肉などの生体における情報処理について解説した本です.

各章の初めに真空管や自転車などの人工物を取りあげ,そして,それと似た構造や機能をもつ生体について説明されています.この点では,とてもユニークな一冊と言えると思います.

とてもコンパクトにまとまった本なので,一見,初学者向けのように見えますが, ....
入門書ではありません!

この本の“はじめに”で「理工系の学部上級生および大学院生向け」と書かれているように,そこそこの予備知識が必要です.私の場合,この本の前半と最後の遺伝子の部分は分かったのですが,それ以外はなかなか理解するのが難しかったです.

もうちょっと説明が欲しかった...というのが正直な感想です.



今月は,これで6冊!出だしは好調!

2012年1月28日土曜日

磯野家の相続税

長谷川裕雅 (著) :磯野家の相続税、すばる舎 (2011/9/21)

とても難解な相続税について、あの磯野家を例に分かりやすく解説した本です。

とてもよく書けた本だと思います。普通の相続税の解説本だと、読むのがたぶん苦痛になると思いますが、この本のように、例をあげて相続税のシミュレーションをしてくれると、とても理解しやすいです。しかも、その例が「磯野家」ですから、関心をもって読むことができます。

著者が長谷川裕雅さんですが、サザエさんの著者の長谷川 町子さんとは何ら関係はないそうです。そして、カバーデザインが福田和雄さんですが、フグ田マスオさんとはもちろん関係がありません(笑)。

2012年1月22日日曜日

誰とでも15分以上 会話がとぎれない!話し方 やっぱり大事!!46のルール

野口敏 (著):誰とでも15分以上 会話がとぎれない!話し方 やっぱり大事!!46のルール、すばる舎 (2010/4/20)

誰とでも 15分以上 会話がとぎれない!話し方 66のルール」に続く、第二弾。前著では紹介されなかった会話を続けさせるルールが、とても具体的に紹介されています。

正直、「ちょっとこれはどうかな?」と思うルールもありましたが、全体的には話下手の人にはとても参考になると思います。

気になったのは、空白が多い(1ページ当たりの字数が少ない)点です。空白を少なくすると100ページに収まるような内容を、無理やり230ページにしたという感じがしないでもないです。

2012年1月14日土曜日

日本のもと 技術

山根 一眞:日本のもと 技術、講談社 (2011/11/25)

火を起こす技術や金属で作る技術など、現代社会のもとになる技術がいつごろ開発され、それらが日本でどのように改良されていったか、そして、日本で開発された技術と未来の技術について、解説されています。

子供向けに書かれた本ですが、大人でも楽しめるし、勉強にもなる、なかなかの内容です。

本のいたるところに散りばめられたダジャレがとても面白い。




2012年1月8日日曜日

津波 TSUNAMI! [絵本]

小泉 八雲 (著), Ed Young (イラスト)、Kimiko Kajikawa (原著):津波 TSUNAMI! [大型本]、グランまま社 (2011/12)

今日(2012年1月8日)の朝日新聞で紹介された絵本。

原作は小泉八雲で、それをアメリカ在住のKimiko Kajikawaが絵本化したものです。

高台に住むじいさんが津波の押し寄せて来るのを見て、自分の田のイネに火を付けて、村人たちに危険を知らせたというお話です。江戸時代の実話がもとになっています。Ed Youngの物凄い迫力のコラージュがとても印象的です。

出版年を見ると2011年10月とあります。これだけみると、昨年の震災に便乗した絵本のように思う人もいるかもしれません。しかし、朝日新聞の紹介文を読むと、そうではないことが分かります。この絵本は2009年にアメリカで出版され、昨年の震災前に日本での出版権を出版社は得ていたようです。ところが、震災が起こり、出版社は便乗どころか日本での出版をためらったようです。このため出版が10月まで延びたのだと思います。

この本を読んでみて、過去の教訓を未来に伝えることの重要性をひしひしと感じました。子供たちにぜひ読ませたい1冊です。

2012年1月5日木曜日

勝間和代のお金の学校―サブプライムに負けない金融リテラシー [単行本(ソフトカバー)]

勝間 和代:勝間和代のお金の学校―サブプライムに負けない金融リテラシー、日本経済新聞出版社 (2009/4/14)

今年の一冊目は勝間さんの本にしました.

資産運用や経済・金融分野の4人の専門家と勝間さんとの対談を本にしたものです.対談を本にしたという点で,以前紹介した経済ってそういうことだったのか会議と似たところがあります.でも,以下の点で大きく異なります.

それは...

経済ってそういうことだったのか会議では,聞き手役の佐藤雅彦さんが経済の素人で,先生役の竹中平蔵さんはその道の専門家です.このため,竹中平蔵さんは素人でも分かるような解説をされていました.それに対して,この本では,聞き手役の勝間さん自身が経済の専門家であるため,先生役の4人は専門家でないと分からないような話を遠慮なくされています.専門用語もバンバンでてきます.専門用語の解説は本には載っているのですが,それでも本書の内容は全くの素人には分かり難いと思います.

ただ,本書の内容自体(特に,分散投資とSRI)は興味深かったです.AMAZONの評価を見ると随分低いのですが,個人的にはそんなにひどい内容ではないと思いました.