2012年11月25日日曜日

「センサ」のキホン (イチバンやさしい理工系) [単行本]

都甲 潔 (著), 小野寺 武 (著), 南戸 秀仁 (著),高野 則之 (著) :「センサ」のキホン (イチバンやさしい理工系) [単行本]、ソフトバンククリエイティブ (2012/5/26)

人間の五感(視覚、触覚、聴覚、味覚、臭覚)に相当するセンサー、人間の五感では測れない量を測定する超五感センサー、そして、放射線を測定するセンサー、について解説しています。

この本のタイトルでは「基本」をカタカナで「キホン」と書いてあり、かなり初歩的な内容を扱っているような印象をタイトルからは受けます。ところが、読んでみると、広範囲に及ぶ内容が結構深いところまで解説されています。センサーに関して素人の私には、ちょっと難しいところもありました。

章によって、内容の詳細さは難易度が異なります。最初の視覚、触覚センサーはもう少し詳しく、かつ分かりやすい説明が(個人的には)欲しかったです。

2012年11月18日日曜日

すらすら読める歎異抄

ひろ さちや (著):すらすら読める歎異抄、講談社 (2003/7/14)

歎異抄は、浄土真宗の開祖である親鸞の語録集です。親鸞の死後、親鸞の教えが歪められ、それを嘆いて親鸞に師事していた唯円が書いた、と言われています。

 以前読んだ「すらすら読める養生訓」が読みやすくて良かったので、この本もきっと読みやすいのだろうと思って、読んでみたのですが、...

「すらすら」とは読めませんでした。内容はなかなか難しいです。原文はもちろん、現代語訳を読んでもよく理解できない部分がありました。

それと、現代語訳に再三登場する「お念仏」や「お浄土」という「お」の字が気になりました。原文には「お」は付いていません。このことから、この本は単なる古典の解説本ではなく、著者であるひろさちや氏の信仰心の入った仏教書である、と思いました。

2012年11月12日月曜日

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

リチャード P. ファインマン:ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)、岩波書店 (2000/1/14)

ノーベル物理学賞の受賞者であるファインマンの自伝です。

理科系の人たちの間ではかなり有名な本で、私も以前から読んでみたいと思っていました。

好奇心旺盛で、いたずら好きのファインマン。原著の副題に、Adventures of a Curious Character「好奇心の強い人物の冒険」とありますが、これはこの本を表現するのにぴったりの言葉だと思います。

一番印象に残ったのは、ロスアラモスでの原爆開発の話です。原爆の実験に成功し、歓喜に沸く科学者たち。そんな中にファインマンもいました。

「戦争は人間に理性を失わせる!」

このことを,この本は私に思い知らせてくれました。

しかし,...そんな中で、「とんでもないものを造ってしまった」と落ち込む一人の科学者(ボブ・ウィルソン)がいたことは、せめてもの心の救いでした。

2012年11月6日火曜日

おじさん図鑑 [単行本]

なかむら るみ :おじさん図鑑 [単行本]、小学館 (2011/12/7)

なかなかユニークな一冊!

著者が街角で見かけた様々なおじさんをイラストにして、特徴をもとに分類した本です。

どこでいつ見かけたかが書いてあるので、「これは俺かも?」とか「これはあの人かも?」という心当たりがあるかもしれません。

イラストはおじさんの特徴を誇張せずに描かれているので、好感を持てます(逆に、某書のイラストは誇張しすぎて、おじさんをバカにしているようで、嫌悪感を感じてしまいます)。

おじさんのインタビューもGOODです。

難を言えば、文字がとても小さい点でしょうか。この字の大きさだと、おじさんがこの本を読むのはちょっと辛いと思います。

2012年11月1日木曜日

大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)

中村 仁一 (著) :大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)、幻冬舎 (2012/1/28)

この本では、治療をいっさい受けずに自然に死んでいく自然死を薦めています。

癌でさえも、治療を受けなければ、穏やかに死ねる、と著者は言っています。本当でしょうか?他人から見たら穏やかに見えるというだけで、死を迎えた本人は、痛みを訴えたり、苦しんだりする力すらないということではないのでしょうか?

医師である著者が「医療とかかわるな」という本を執筆されるのはとても画期的なことですが、書かれている内容を、はたして、どこまで信じていいのやら?

内容は疑問に感じましたが、文章は痛快でした。



※今年の目標の読書50冊を達成しました!