2011年12月27日火曜日

地アタマを鍛える知的勉強法 (講談社現代新書)

齋藤 孝 (著):地アタマを鍛える知的勉強法 (講談社現代新書)、講談社 (2009/12/17)

齋藤 孝さんの本はこれまで何冊も読んでいますが、いずれも最初は面白いのですが、途中からだんだん読むのが苦痛になってきます。でも、この本は違ってました。最初から最後まで興味深く読むことができました。

結局はしっかりと目的意識を持って勉強することが大事ということか!そうしないと,ホンマモンの知識が身に付かないし,知識を暗記できてもそれを活用できない,ということなのだろう.今まで知識を身につけようと,闇雲にたくさんの本を読んできたけど,ちょっとやり方を考え直さないといけないと,この本を読んで思いました.

また,この本の最後に勉強のための様々なヒントが挙げられていて,これはとても参考になります.ぜひ実践してみたい!



今年の目標の年間50冊をなんとか達成しました!

2011年12月25日日曜日

ウオヅラコレクション (生きもの摩訶ふしぎ図鑑シリーズ)

伊藤 勝敏 (著):ウオヅラコレクション (生きもの摩訶ふしぎ図鑑シリーズ)、保育社 (2010/12/10)

こんなユニークな本、今まで見たことがない!

魚の顔を正面から撮ったドアップ写真と著者のコメントからなる写真集です。

今まで魚の正面顔なんてほとんど見たことがなかったので、「魚ってこんな顔をしているのか!」と感動すら覚えます。可愛いと思っていた魚が結構いかつい顔だったり、おっさん顔の魚やグロテスクな顔の魚がいたり、でとても面白いです。

それと、魚の正面顔を絶妙な言葉で表現しています。たとえば、「大阪のおばちゃん」とか「演歌歌手」など、まさに言い得て妙!


2011年12月21日水曜日

宇宙は本当にひとつなのか (ブルーバックス)

村山 斉 (著) :宇宙は本当にひとつなのか (ブルーバックス)、講談社 (2011/7/21)

今話題の?暗黒物質や暗黒エネルギーの話や、多次元宇宙(4次元以上の宇宙)や多元宇宙(宇宙が一つではなくたくさんあるという理論)の話が中心です。

最新の物理学の分野で、何が行われていて、物理学者はどんなことを考えているのか、そして、何が分かっていて、何が分かっていないのか、といったことがこの本から分かります。

理解できない部分も多々ありましたが、書かれている内容にはとても興味を惹かれます。それは、私たちの日常の目で見る世界とのギャップが大きいためで、ホンマカイナ?と思いながらも、引き込まれてしまいます

2011年12月18日日曜日

魂のゆくえ アースマラソン766Days (ワニプラス)

間 寛平 (著) :魂のゆくえ アースマラソン766Days (ワニプラス)、ワニブックス (2011/8/5)

お笑いタレントの間寛平さんが,2年以上の歳月をかけて,マラソンとヨットで世界を一周したアースマラソン.

その記録を寛平さん自身が書いて本です.

アースマラソンを応援してきた人たちには,この本は間違いなく宝物になると思います.

「あの時はそういうことだったのか」とか「寛平さんはそういう気持ちだったのか」など, アースマラソンのブログからは分からなかったことが,いろいろ書かれています.


アースマラソンで寛平さんが走っていた頃は,危険なランが続き,毎日が心配で心配でしょうがなかった.最後までゴールして欲しいという思う反面,事故が起こる前に帰ってきて欲しいという気持ちもありました.いざ,ゴールすると,...何だろう?この空虚感は?心にぽっかりと穴があいてしまった.「もう一周してくれ」,なんて言ったら怒られるかな.

でも,アースマラソン中は,毎日,元気をたくさん寛平さんからいただきました.そして、この本からも、再び、元気をもらいました。ありがとう!寛平さん!


2011年12月15日木曜日

Miyazaki's Spirited Away,5(「千と千尋の神隠し」の英語の漫画本)

Hayao Miyazaki (著, イラスト) :Miyazaki's Spirited Away,5,VIZ Media LLC; Original版 (2003/2/5)

「千と千尋の神隠し」の英語の漫画本(5巻のうちの最後の1巻)です.タイトルのSpirited Awayで「神隠しにあった」という意味があるようです.英語の勉強になるかと思って,読み始めたのですが,...

せりふはネイティブが翻訳したもののようです.日本人の考える英文とは明らかに異なります.ネイティブはこんな英語を話すのかと...正直驚いてしまいます.

見たこともない単語があったり,日本で習う英文法ではどうみてもおかしい文があったりします.

AMAZONで対象年齢をみると,9 - 12歳とあります.英語圏の子供たちはこんな難しい英語を知っているのか,と驚くとともに,自分の知っている英語はほんとうにEnglishなのかと疑問に感じました.

イラストはとても美しいです.イラストだけでも十分楽しめます.

2011年11月29日火曜日

プレゼンテーションの英語表現 (日経文庫)

デイビッド セイン (著), マーク スプーン (著):プレゼンテーションの英語表現 (日経文庫)、日本経済新聞社 (2004/12)

今まで英語でのプレゼンテーションの本は読んだことはあるものの、いずれも日本人が書いたものでした。「ネイティブがプレゼンテーションで使う英語は日本人のものとは違うのでは?」と思い、この本を読み始めました。読んでみて、やはり日本人のものとは少し違うと感じました。

場面に応じた文例がたくさん載っていて、とても参考になります。ただ、読んだだけでは身に付かないですね。文例を録音したCDがあれば、繰り返し聴いて、耳で覚えることもできるのかなと思いました。別売でもいいので、CDを作ってください!

ところで、著者の一人のデビッドセインは非常にたくさんの本を執筆されています。この方の本を読むのは2冊目ですが、脅かされるのは日本語がとてもうまいことです。「ひょっとしたら日本人がアメリカ人の名を騙って書いているのでは?」とまで思ってしまう...それほど日本語が達者です。



これで何とか今月も4冊読めました。目標の年間50冊まで、あと5冊!

2011年11月19日土曜日

東大式 世界を変えるイノベーションのつくりかた

東京大学i.school (著): 東大式 世界を変えるイノベーションのつくりかた、早川書房 (2010/5/21)

“東大式”と“イノーベーション”という言葉にひかれて読み始めました。読む前は、東大が考案した方法論の話かと思ったのですが、...

各界の企業の方々を講師に招いて行われた4回のワークショップの内容がこの本の元になっています。ですから、各企業で開発されたイノーベーションのための方法論についての話が中心です。

この本で紹介されている方法論はなかなか興味深い。学生がチームを組んで、付箋を多用して情報を分析したり、物を作ることを通してイノベーションを考えたり、...などなど。この本を読むと、方法論を自分の職場や教育の場に導入したくなる人も少なくないのではと思います。

カタカナ語が多いのがちょっと気になりました。


2011年11月13日日曜日

笑う科学 イグ・ノーベル賞 (PHPサイエンス・ワールド新書)

志村 幸雄 (著):笑う科学 イグ・ノーベル賞 (PHPサイエンス・ワールド新書)、PHP研究所 (2009/10/21)

文句なしに面白い!

この本では、イグノーベル賞を受賞した様々な研究が紹介されています。どれも決していい加減な研究ではなく、サイエンティフィックでしっかりした研究の成果であることが、この本から分かります。目の付けどころが“笑える”だけで、中身は本格的な研究なのですね。

「本来、サイエンスとは面白いものなのだ」ということをこの本を読んで感じました。子供たちの理科離れに歯止めをかけるために、この視点はとても大事なのではと思いました。





2011年11月5日土曜日

だから混浴はやめられない (新潮新書)

山崎 まゆみ (著):だから混浴はやめられない (新潮新書)、新潮社 (2008/10)

混浴での人との出会い、様々なエピソード、混浴の歴史、そして著者のお気に入りの混浴温泉、を紹介した本。

混浴温泉へ行ってみたくなりました。たぶん、この本を読んだ人は、みんなそう思うのではないかな?

なかなか面白い本だと思いましたが、AMAZONのカスタマーレビューを見ると、ずいぶん評価が低く、「えっ、どうして?」と思いました。そもそも混浴に嫌悪感を持つ人が最低の評価をしたのが、影響しているようですね。嫌悪感があるのなら、読まなきゃいいのに。



2011年10月29日土曜日

百歳

柴田トヨ (著) :百歳、飛鳥新社 (2011/9/13)

今年で100歳になる柴田トヨ さんの詩集。前作の処女詩集「くじけないで」に続く第2詩集です。

この方の詩は、心の思うままに書いたのではなく、かなり推敲されているという印象を受けました。言葉の選び方や表現の仕方を見ると、かなり時間をかけて書かれたのではないでしょうか。

今回の詩集で一番心に残ったのは、次の一節です。

「人生に
当たり外れなんて
ないのよ
気持次第で
青い空が見えてくる」

やはり気持ちの持ちようなのですね。私もそう思って生きていきたい!

そして、詩の一節ではないのですが、次の最後の言葉もとても心に響きました。

「人にやさしくする。そして、やさしくしてもらったら忘れない。これが百年の人生で学んだことです。」

私はこれまで様々な人からやさしさをもらい、そして、この詩集からたくさんのやさしさを頂きました。この詩集を読んで、自分の生き方を今一度見つめなおしたいと思いました。

ありがとう!トヨさん。

2011年10月22日土曜日

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)

磯田 道史 (著):武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書) 、新潮社 (2003/4/10)

“武士”というと、時代劇に登場する武士のイメージしかありませんでした。そこには、粋でかっこよかったり、町民を下げすむ姿や人情味あふれる姿があったり...

しかし、それはあくまでも現代人が作った武士。ほんとうの武士とはいかなるものか?

この本では、「金沢藩猪山家文書」から実際の武士の生活を読み解いていってます。

そこから浮かび上がってきたものは、...収入が少ないにも関わらず、冠婚葬祭などに金を使い、借金を抱え破産寸前になった武士の姿や、ソロバンで下級武士から伸し上がっていった様子、そして明治維新後の士族の困窮ぶりなど、実に生々しいものです。

この本を読んで、武士に対するイメージが大きく変わりました。

とてもユニークな一冊!

2011年10月16日日曜日

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

福岡 伸一 (著):生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)、講談社 (2007/5/18)

面白く、かつ読みごたえのある一冊。さすが、『読んで面白かった新書(朝日新聞2011年7月16日に掲載)』でランキングトップの本だ!

この本では、生物の摩訶不思議で、複雑で、しかも精巧なメカニズムが、いくつか紹介されています。どれも驚嘆に値します。本来、専門的な内容ですが、それを、福岡さんの、とても理科系とは思えない文系的な文章力で、かっこよく解説されています。

しかし、この生物の複雑なメカニズム、いったいどうやって作られたのだろう?偶然の積み重ねで、はたして作られるのだろうか?

私にはとてもそうは思えない。

サイエンスに神の存在を持ち出してはいけない、というようなことを益川さんが「大発見」の思考法で書いていたけど、何かそんな超越したものを考えたくなってしまいます。


2011年10月8日土曜日

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

岩崎 夏海 (著):もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら、ダイヤモンド社 (2009/12/4)

8月ごろから仕事の方が無茶苦茶忙しくなったため、8月、9月は読書なし。10月になり、ようやく大きな仕事が3つ片付き、読書再開!

筆者の文章は巧みとは言い難い。それもそのはず、初めての著作だそうだ。そんなこともあって、読み始めは、どうしてこの本がそんなに売れたのか、不思議でしょうがなかった。

ところが、...ところがである

50ページを過ぎたあたりから、俄然、面白くなってきた。

ドラッガーの本は経営者のマネジメントについて書かれたもの。それを野球部のマネージャーが野球部に当てはめて、考える、という展開。たとえば、「野球部における顧客とは何か?」などだが、これを主人公のみなみ達と一緒に、思わず私も考えてしまう。

ドラッガーのマネジメントを自分の仕事にも当てはめて、考えてみようかな?...と思ったけど、けっこう難しそうだ!


2011年7月31日日曜日

バイオニクス学のすすめ [単行本]

軽部 征夫 (著): バイオニクス学のすすめ [単行本]、丸善 (2004/07)

バイオニクスは、著者である軽部氏が提唱した学問分野で、通常の生体工学・バイオの分野以外に、バイオとは関係なさそうなロボットや人工知能まで含めています。「これらは全部、俺の分野だ!」と言い張っているように思えてなりません。「ロボットや人工知能がバイオニクスの一分野だ」と言えば、おそらくロボット・人工知能の専門家は嫌悪感を感じると思います。

また、図や写真は他の文献から引用したものばかりで、図中の文字が小さく、何が書かれているのかよく分かりません。

まあ、一通りの勉強を浅くするには、この本は良いのかもしれませんが...



2011年7月30日土曜日

わたしの良寛

榊 莫山 (著):わたしの良寛、毎日新聞社 (1999/07)

良寛はお坊さんのお勤めはほとんどせず、たくさんの詩と歌を書き残した江戸時代の人。その良寛の生涯を描いた画文集です。

著者は、書家として、画家として、そして文筆家として有名な榊 莫山さんです。この方の、味わいのある絵と書が読者にほのぼのとした感じを与えてくれます。また、良寛の書いた漢詩の訳も、とてもおもむきがあって良かったです。

ただ、この本で描かれている良寛像は、それまで私の持っていたものとは少し異なりました。

良寛と言えば、子供たちと手まりで遊ぶ、純朴な姿が思い浮かびます。でも、この本では、子供とすみれを見に山へ行く話が出てくるだけ。良寛はどちらかというと俗人と関わろうとせず、飄々と生きたように描かれています。

私、こんな飄々とした生き方にちょっぴり憧れてしまいます。著者の榊莫山さんもそんな憧れをもってこの本を書いたのではないかなと思います。





2011年7月17日日曜日

ネイティヴはそう言いません! 日本人英語からの脱出術 [単行本]

多田 裕吾 (著), リサ・ヴォート (著):ネイティヴはそう言いません! 日本人英語からの脱出術 [単行本]、研究社 (2004/11/23)

私たちは文法中心の英語教育を受けてきたため、和文を英訳する場合、日本語の単語を英単語をに置き換え、文法に合うような英文に変換するという作業をしてしまいます。

しかし、ことような英文をネイティブは奇異に感じることも少なくないようです。これは、そもそも感覚や発想が日本語と英語で異なることに起因すると考えられます。

この本はそんな感覚や発想の違いを教えてくれます。

106個の例文で、具体的にこの違いを解説していて、とても勉強になります。

また、英語の勉強法などを解説したコラムもとても参考になりました。

この本の問題点を強いて挙げると、最後の“さくいん”でしょうか?和文を、あいうえお順に並べてあるのですが、いったいこれをどう使えというのでしょうか???キーワードの索引やシュチエーション別の索引とかの方が、関連するページが分かって良かったのではないかと思います。

さくいん以外はVeryGood!です。



2011年7月10日日曜日

「大発見」の思考法 (文春新書)

山中 伸弥 (著), 益川 敏英 (著):「大発見」の思考法 (文春新書) 、文藝春秋 (2011/1/19)

iPS細胞の山中氏とノーベル賞受賞者の益川氏の対談を本にしたもの。...と言っても、おそらく、対談の際に実際に話した内容に、後からかなり文章を追加・編集しているのではないかと思います。対談風著書というべきか?

それはともあれ、かなり面白い話です。特に理科系人間にはたまらないと思います。著名なお二人がどんな人生を歩んできたか、どのように研究をしているのか、研究で何が重要か、大発見はどのように生み出されたか、そして、お二人の趣味の話、などなど。とても興味深い話がいっぱいです。ただ、山中氏のお話は、以前、WEBで見た高校生対象の講演の内容とほぼ同じでした。私にとっては目新しいところは少なかったのですが、それでも面白いと感じました。

お二人とも、とても純粋な研究者なんだな~。

2011年7月6日水曜日

宮本武蔵の五輪書 (原本現代訳 (116))

大河内 昭爾 (翻訳), 宮本 武蔵 :五輪書 (原本現代訳 (116))、ニュートンプレス (1980/11)

宮本武蔵の「五輪書」と柳生新陰流の「兵法家伝書」の現代訳です。

私のまわりには宮本武蔵の五輪書が愛読書だという人が何人もいます。どんな本なのかと以前から思っていたところ,先日、図書館で偶然にこの本を見かけ、読んでみることに。

精神論について書かれた本かと勝手に思いこんでいましたが、中身はとても具体的な兵法の話。
たとえば,戦いの際は「目を動かさず,額にしわをよせず,目の間にしわをよせて,目の玉を動かさないようにし,...,つねの目より少し細めにする.」とか,「太刀の持ち方は.親指と人差し指をうかすような心持ちにし,中指は締めず,ゆるめず,薬指と小指を締める...」など,剣術につては全く知らない私ですが,不思議と何か分かるような気がしてきます.

また,敵を切り殺すことが重要なので,そのためには,敵をだましたり,怒らせたり,物の音で恐怖心を抱かせたり,なども大切だと説いています.つまり,敵を切るためには手段を選ばず!なんという本なのだ!!

スポーツ(特に武術)の分野には,この本に書かれていることが当てはまることもあると思います.しかし,それ以外の分野ではどうなのだろうか?この本を愛読書だという人はいったいどういう人なのだろうか?敵がいて,それを蹴落とすことを常日ごろ考えているような人なのだろうか?

そう思って,この本を愛読書だと言っている人の顔を思い浮かべて,...,「あっ,そうか」と変に納得してしまいました.



2011年6月26日日曜日

アキレスとカメ [単行本]

吉永 良正 (著), 大高 郁子 (イラスト):アキレスとカメ [単行本],講談社 (2008/7/2)

アキレスとカメがかけっこをすると,アキレスはカメに永久に追いつけないというパラドックスについて書かれた本.

本書の一番の主張点は...数学的に有理数の世界に限定するとアキレスがカメに追いつけないケースもありうるが、連続した実数の世界にまで話を広げると、アキレスはカメに追いつく、という点だと思います。数学と哲学に精通した著者らしい論点です。
こんなことを書くと難しそうに思えるかもしれませんが、そんなことはありませんので、...

イラストがとってもGOOD!です.本の内容よりイラストが気に入れました.

2011年6月23日木曜日

ネイティブのココロがわかる英会話 (English library) [単行本]

デイヴィッド セイン (著), 長尾 和夫 (著):ネイティブのココロがわかる英会話 (English library) [単行本],三修社 (2002/10)

これは文句無しにいい本だ!

ネイティブと会話をしたい人,ネイティブと信頼関係を築きたいという人には目からウロコです.

文頭にAndを付けると偉そうに聞こえるとか,今まで知らなかったことがいっぱい.たぶん,こういうのを知らなくて,今までネイティブとの会話で相手に不快な思いをさせたりしたんだろうなあと思います.

2011年6月18日土曜日

日本辺境論 (新潮新書)

内田 樹 (著):日本辺境論 (新潮新書),新潮社 (2009/11)

辺境人とは、常にどこかに「世界の中心」を必要とする辺境の民のこと。そして、この辺境人の特性をこの本で論じていますが、別にそれを批判している訳ではないし、日本人はこうあるべきだと言っている訳でもありません。

この本に書かれている辺境人の特性に私はまったくぴったり当てはまります。「自分が何者なのか」が分かった気になりました。

結構、読みごたえのある本。難しい用語と独特の文体で、読んでいて、(面白いと言えば面白いのですが)、ちょっと疲れました。

2011年6月12日日曜日

誰とでも 15分以上 会話がとぎれない!話し方 66のルール [単行本]

野口 敏 (著) :誰とでも 15分以上 会話がとぎれない!話し方 66のルール [単行本],すばる舎 (2009/7/21)

会話が苦手という人にはうってつけの本と思います。具体的なフレーズや方法で、会話が続くルールが紹介されています。

会話は言葉のキャッチボールではなく、気持ちのキャッチボールというのは、なるほどなと思いました。

今まで相手の「こんな話を聞いて欲しい」という気持ちをちゃんと考えていなかったことに気付きました。

この本に書かれている方法をさっそく実践しようとしました。大きく頷いて相手の話に反応することは比較的簡単にできましたが、そこから先は...なかなかうまくいきません。何が悪いのか?たぶん極端にシャイなのがいけないのだろうな。それを克服する方法はこの本には書かれていませんでした。そういうのを書いてある本、ないのかな?

2011年6月8日水曜日

癒される英語、癒す英語。 [単行本]

David A. Thayne (原著) :癒される英語、癒す英語。 [単行本],三修社 (2002/11)

癒されて,しかも英語の勉強もできる,という一石二鳥の本.CDも付いています.

様々な場面(たとえば,結婚が決まった時,試験に合格した時など)を想定して,読者を癒すフレーズと誰かを癒すために使えるフレーズが紹介されています.実生活で使えるフレーズがたくさんあり,役に立つと思います.

これだけテーマを絞った英語フレーズ集は,たぶん他にはないのではないかと思います.とてもユニークな本!

2011年5月25日水曜日

しばわんこの和のおけいこ (しばわんこの和のこころシリーズ)

川浦 良枝: しばわんこの和のおけいこ (しばわんこの和のこころシリーズ) 、白泉社 (2008/06)

しばわんことみけにゃんこが日本の文化を紹介するお馴染みのシリーズ.今回は,茶道,華道,かるた,百人一首,季節の料理,ガラス細工などを紹介しています.

しばわんことみけにゃんこはいつもながら可愛いくて,癒されます.全ページ,絵本のような書き方なのですが,この丁寧な絵を描くのには相当時間がかかるんだろうなあ~と変なところで感心したりしています.

このシリーズを読むと,日本のことって知っているようで知らないとつくづく思います.

2011年5月23日月曜日

NOVAうさぎのオトナ語の英語 (Nova books) [単行本]

NOVA (著), ほぼ日刊イトイ新聞(著): NOVAうさぎのオトナ語の英語 (Nova books) [単行本]、NOVA (2005/08)

可愛くて,ちょっと憎らしいNOVAウサギがいっぱいの本.主にビジネスで使う言葉について解説しています.

この本はいったいどういう人を対象にしているのだろう?英語を勉強するために読んだ人はたぶんがっかりすると思います.一つのオトナ語に対して,6ページを割いているのですが,そのうち最初の4ページはNOVAウサギの漫画(日本語)で,英語の話は2ページだけです.ですから英語を学習するための本というより,NOVAウサギの漫画を楽しむ本と言ったほうがいいと思います.

扱っている内容もどこまでがおふざけなのかよく分かりません.



2011年5月22日日曜日

生命科学がわかる100のキーワード―生物学の基本から、最先端医療まで (ニュートンムック Newton別冊)

生命科学がわかる100のキーワード―生物学の基本から、最先端医療まで (ニュートンムック Newton別冊) [大型本]、ニュートンプレス (2009/10)

細胞の構造やDNA、人体のしくみなどの生命科学の基本から、最新の再生医療まで、初学者向けに分かりやすく解説されています。ニュートンムックらしい美しい絵が印象的です。

一つのキーワードに対して、概要、本文、図の3つで解説しているのですが、概要とほぼ同じ文が本文にも、図にも書かれていて、同じ文を3回読むことになります。文を重複させずに、その分、もう少し詳しい説明があるともっと良かったかなと思います。

キーワードごとに書かれているので、辞書代わりに使ったりできると思います。また、学生が生命科学関係のレポートを書く時にもこの本は役に立つかな?




2011年5月18日水曜日

「よろしくお願いします」と英語で言いたいあなたへキヤノン英語マンから20のアドバイス [単行本]

リチャード・バーガー (著):「よろしくお願いします」と英語で言いたいあなたへキヤノン英語マンから20のアドバイス [単行本]、朝日新聞社 (2008/3/7)

英語でのお願いの仕方,謝り方,手紙やメールの書き方,などなどで,日本人の知らない英語のコツを教えてくれます.ネイティブが書いた本なので,内容も(たぶん)信用できます.

ビジネスで実際に使える英語が中心です.whachamacallet(「あの何とか言うもの」という意味)など見たこともない英語が出てきて,なかなか面白かったです.

こういう本を読むと,私たちが中学,高校で習った英語はいったい何だったんだ思います.実際に使える英語を学校で教えて欲しかったです.

ぜひ,続編を出して欲しい!



2011年5月14日土曜日

動かして実感できる三次元原子の世界 [単行本]

奥 健夫 (著):動かして実感できる三次元原子の世界 [単行本]、工業調査会 (2008/06)

超伝導体、半導体、セラミックス、フラーレン、カーボンナノチューブなど、様々な材料の原子構造が紹介されています。添付のCD-ROMに原子構造の3次元データが入っていて、WEBからソフトをダウンロードすると、原子構造を3Dで見ることができます。

全般的には初学者向けに分かりやすく解説されているのですが、ところどころ難解な部分があります。もう少し説明が欲しいところです。

本書のところどころにコラムが書かれています。はっきり言って、本文よりコラムの方が面白かったです。特に量子脳理論のコラム、とても興味を持ちました。

とても面白い本なのですが、残念なことに、この本を出版していた工業調査会が倒産し、現在では新本が手に入らないようです。



2011年5月8日日曜日

エッシャーとペンローズ・タイル (PHPサイエンス・ワールド新書)

谷岡 一郎 (著):エッシャーとペンローズ・タイル (PHPサイエンス・ワールド新書) 、PHP研究所 (2010/5/21)

中学生に好きな芸術家は誰かと尋ねると、エッシャーとこたえる人は結構多いそうです。私もその一人でした。もちろん、大人になった今でも大好きです。

2次元平面の中に不思議な空間を創出するエッシャー。誰もが魅了されたことと思います。それに対して、この本で取りあげられているもう一人の人物、ペンローズ、を知る人は少ないと思います。

ペンローズは有名な物理学者だそうなのですが、この本では、彼が考案したペンローズタイルについて詳しく解説されています。このペンローズタイルは2種類の図形で平面を埋め尽くすものです。この本ではさらにイスラムと日本の文様も紹介されています。実に様々なデザイン・文様のオンパレードです。

この本を読んで、その内容以上に驚いたことがあります。それは著者の略歴。てっきり芸術に関わる人かと思ったら、なんと法学部の出身で専門は犯罪学!さらに驚いたのは、わずか41歳で大学学長、49歳で理事長をされている。いったいどんな人なんだろう!?



2011年5月4日水曜日

粘菌 その驚くべき知性 (PHPサイエンス・ワールド新書)

中垣 俊之 (著):粘菌 その驚くべき知性 (PHPサイエンス・ワールド新書) 、PHP研究所 (2010/4/21)

粘菌というアメーバ状単細胞生物に、迷路を解かせたり、カーナビのように最短経路を求めさせたり、...というお話。イグノーベル賞受賞で話題になりました。

迷路を解かせるなどの実験をしただけかと思いきや、粘菌の行動を数学モデルで記述して、シミュレーションまでされています。いいかげんか研究ではないのですね。

この本を読むまでは、脳を持たない単細胞生物がなぜ迷路を解けるのか不思議でしょうがなかったのですが、この本を読んで納得しました。とても単純な行動原理でも“知性”のようなものを実現できるのには驚きました。



2011年4月28日木曜日

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)

村山 斉 (著): 宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書) 、幻冬舎 (2010/9/28)

宇宙が何からできているのか?そして,どんな法則に支配されているのか?
本書では,この疑問に対する答えを,巨大な宇宙と極小の粒子を関係づけて,分かりやすく解説しています。

前半は興味津々,後半は何それー?最後に再び興味津々,という感じ.
たくさんの聞き慣れない用語に戸惑いながらも楽しく読める点がこの本の素晴らしいところだと思います.

私たちの知っている物質の世界は宇宙のわずか4%!残りの96%は暗黒物質と暗黒エネルギーだなんて!
しかも,これが分かったのがごく最近とのこと.
いやー,知らなかったなー.この世のほとんどが訳の分からない物だ何て!



※4月はこれで5冊目.今月も目標の月に4冊をクリアーできました.

2011年4月26日火曜日

日本経済の不都合な真実―生き残り7つの提言

辛坊 治郎 (著), 辛坊 正記 (著): 日本経済の不都合な真実―生き残り7つの提言、幻冬舎 (2011/01)

本書では、日本の経済状況が危険水域にあることを警告し、それを解決する方法を提言しています。国債バブルも社会保障費の急増もやはり相当ヤバイのですね。改めて痛感しました。

“はじめに”での辛坊さんのふざけた文章は笑いました。本文もこの調子でふざけてくれたら、もっと楽しく読めたと思います。

経済を左右する様々な要素の因果関係を素人でも分かるように解説しよう、という著者の気持ちは伝わってきます。でも、経済が門外漢の私には、やはり難しい。辛坊さんをもってしても、すっきりは理解できませんでした。

この本や経済ってそういうことだったのか会議を読むと、規制を緩和して競争させる小泉改革は正しかったのかと思うし,星守る犬を読むと、生きていけない負け組を生み出す小泉改革はダメだと思ったりもします。何かもっといい政策があるのではと素人ながら感じました。



2011年4月22日金曜日

きなこ~夢をおいかける犬~

百瀬 しのぶ (著):きなこ~夢をおいかける犬~、小学館 (2009/9/1)

ずっこけ見習い警察犬「きなこ」の実話をもとに、人と犬のきずなを描いたフィクションです。どこまでが実話なのかよく分かりませんが、それはともあれ、感動しました。2010年には映画化されました。

最後のシーンより、きなこと杏子が別れるシーンで泣いてしまいました。どうも最近、涙腺がゆるゆるです。

小説はめったに読まない私ですが、今回は家族が読め読めというもので...でも、読んで良かったです。犬好きの私にはこういう本はたまりません!

2011年4月15日金曜日

くじけないで、柴田 トヨ (著) 99歳の詩集

柴田 トヨ (著): くじけないで、飛鳥新社 (2010/3/17)

読み始める前は「99歳(もうすぐ100歳)の詩集」という話題性だけの本かと思っていました。でも、最初の詩を読んですぐに、それだけではないことが分かりました。

いくつかの詩では、情景が目の前に浮かんできます。時にはパステルカラーで、そして時にはセピア色で、母との思い出や日常、そして、トヨさんの心の景色が浮かんできます。

詩の中に、陽、雲、風という言葉がよく出てきます。年齢からして、外出されることはほとんどなく、縁側で陽の光や風、雲を感じておられる様子を(勝手に)想像しました。限られた空間の中での、この詩の感性はすばらしいと思いました。

元気づけられ、癒されました。ありがとう!トヨさん。

2011年4月6日水曜日

老いの才覚 (ベスト新書)

曽野 綾子 (著): 老いの才覚 (ベスト新書)、ベストセラーズ (2010/9/9)

この本と出合えてよかった.そう思うことが年に何回かある.

自分の人生に何らかの影響を及ぼす本だ.

老人になると,人からいろいろしてもらうのが当たり前のような感覚が世の中にはあります.それに対して,「してもらう」のではなく,できる範囲で「自分でする」.つまり,自立した老人を目指さないといけない,と言うのがこの本の趣旨です.

本の初めの方に,サービスを待つだけで何もしない被災者を批判する箇所があります.この本は,今回の震災の前に書かれたものですが,震災後だったら著者の文章も違っていたかも知れません.また,読む側も,震災の前か後かで,ずいぶん違った印象を持ったのではと思います.
打ちのめされた老人と普通の老人を一緒に考えてはいけないのではないかと私は思いました.



2011年3月30日水曜日

論破できるか!子どもの珍説・奇説 (ブルーバックス)

松森 靖夫 (編集): 論破できるか!子どもの珍説・奇説 (ブルーバックス)、講談社 (2002/2/20)

とてもユニークな本!勉強になりました!

「カラスやスズメの死骸を見たことないから,カラスやスズメは死なない」といった子供らしい珍説・奇説から,「お湯からのぼっている白い煙が水蒸気だ」など大人でも思い込んでいるようなことまで,とても丁寧に子供でも分かるように論破されています.私のような理科系人間でも知らないことがたくさん書かれていました.

以前紹介した「化学・意表を突かれる身近な疑問 (ブルーバックス)」と似たところはありますが,今回の本の方が論理的に分かりやすく解説されていて,内容も面白いと思います.



※これで3月は5冊目.目標の月に4冊はクリアーできました!

2011年3月27日日曜日

ロボット進化論―「人造人間」から「人と共存するシステム」へ (東京理科大学・坊っちゃん選書)

小林 宏 (著):ロボット進化論―「人造人間」から「人と共存するシステム」へ (東京理科大学・坊っちゃん選書)、オーム社 (2006/07)

著者のこれまでのロボット研究の紹介が中心です。特に様々な表情ができる「顔ロボット」と、人間の力を増幅する「マッスルスーツ」の話に力が入っていると感じました。

科学ジャーナリストの質問に著者が答える形式で書かれています。とても平易に書かれていて、ロボットの知識が全くない人でも読むことができると思います。

以前読んだ同シリーズの携帯電話は人工知能の夢を見るか?と同様に、本のタイトルと内容がちょっとあってないように思います。そういうこともあってか、Amazonのカスタマーレビューでは非常に低評価でしたが、私はこの本、そんなに悪くはないと思いました。

個人的は、欲しいな、マッスルスーツ!



2011年3月21日月曜日

EARTH CODE―46億年のプロローグ

GENERATION TIMES (著, 編集), 特別協力 山本 良一(著), 山本 良一 (監修):EARTH CODE―46億年のプロローグ,ダイヤモンド社 (2010/4/9)

地球が生まれてから46億年の歴史、そして生命が生まれてから38億年の歴史。この2つの歴史がどのように関わってきたのか、そして、私たちの体のいたるところにその歴史が刻み込まれている。そんなことがこの本を読んで分かりました。

「なぜ私たちの体には脊椎があるのか?」、「どうして私たちの目は爬虫類と違い前方に付いているのか?」、などなど、私には今まで当たり前すぎて疑問と感じなかったことに、38億年の歴史的な理由があるのですね。

豊富な写真とユニークなイラストが印象的です。一生忘れられない一冊になりそうです。

2011年3月15日火曜日

伝える力 (PHPビジネス新書) ,池上 彰(著)

池上 彰(著):伝える力 (PHPビジネス新書),PHP研究所 (2007/4/19)

ビジネスパーソンを対象に「話す」「書く」「聞く」ための方法や知恵について,著者の豊富な経験をもとに書かれています.

この本を読んでみての第一印象は「余白が多い」,つまり「1ページ当たりの文字数が少ない」ことです.このため,すらすらと読めます.これも読みやすくするための方法なのでしょうか?

評判のよい本だけに,ちょっと期待しすぎたかな? という感じはしました.良書とまではいかないまでも,まあそこそこ良い本かなと思います.

2011年3月4日金曜日

最後の授業, ぼくの命があるうちに DVD付き版

ランディ パウシュ(著), ジェフリー ザスロー (著), 矢羽野 薫 (翻訳) :最後の授業 ぼくの命があるうちに DVD付き版、武田ランダムハウスジャパン (2008/6/19)

余命半年の宣告を受けた大学教授の最後の授業。自分の子供たち、「最後の授業」を聴きに来た人たち、そして、世界中の人々に,伝えたかったことが書かれています。DVDが付いていて、実際にカーネギーメロン大学で行われた「最後の授業」を見ることができます。

余命宣告を受けた状態で、たくさんのジョークを交えて講義されたのには驚きました。日本人にはとてもできないと思います。
私だったら何ができるだろうか?自分の子供たちに何を残せるだろうか?...そんなことを考えさせられました。

著者のランディは実は私の知り合いの知り合いです。分野が近いので私もどこかで会っているかもしれません。短かったけれど、たぶん幸せな人生だったのだと思います。私もランディのように陽気で前向きに生きたい...たとえ短くても。



2011年2月24日木曜日

日本のしあわせ、廣瀬 裕子 (著)

廣瀬 裕子 (著):日本のしあわせ、PHP研究所 (2003/05)

日本の四季の風物や行事を写真とエッセイで紹介した本。行事の起源なども紹介されています.

素敵という言葉がぴったり当てはまる本です。

この本を読んで、ごく身近にある日本の美しいものを見過ごしていたかもしれないと思いました。美しく,そして,風情のある日本に生まれて良かった。ほんとうに良かったと,思います。




※これで2月は6冊目.と言っても,そのうち1冊は写真集,1冊は子供向けの本なので,実質,読んだと言えるのは4冊かな?

2011年2月18日金曜日

マックスウェルの悪魔 (ブルーバックス)

都筑 卓司 (著) :マックスウェルの悪魔 (ブルーバックス), 講談社 (2002/9/20)

水に落としたインクの拡散や熱の拡散などの”エントロピー増大法則”,そしてそれを打ち破る”マックスウェルの悪魔”の話.

この本は1970年の初版から約30年の月日を経て,2002年に新装版として出版されたものです.非常に残念なことに,新装版が出版される僅か2ヶ月前に著者が他界されています.新装版を見ずに逝かれたのは,さぞかし無念だったのではと思います.

ブルーバックスの中では名著だと言われています.その所以は,分かりやすいことをもちろん挙げられますが,おそらく最後の章「カタストロフィー」の内容にあると思っています.この章では,「情報過多により人類が滅亡する」という話がでてきます.40年前にこのような内容を書かれたのは驚きです.社会が複雑化し,情報量が極めて膨大になった現在,この章の内容は同感すると同時に,とても考えさせられます.

プロローグの写真,怖いです.

2011年2月12日土曜日

おとなの楽習 科学の偉人伝 (おとなの楽習シリーズ)

白鳥 敬 (著): おとなの楽習 科学の偉人伝 (おとなの楽習シリーズ)、自由国民社 (2010/9/16)

おとなの楽習シリーズです。古代ギリシャから現代までの100人を超える科学者を紹介しています。

本の内容紹介では「中学レベルをさらりとおさらい」とあったのですが、決して中学レベルではありません。中学では習わない科学者も多数紹介されていました。

科学者が発見・発明した内容だけでなく、科学者間の人間関係も紹介されていて、なかなか面白かったです。ただ、もう少し説明図があると、分かりやすかったかなと思いました。



2011年2月7日月曜日

裸の王様 (新潮新書),ビートたけし (著)

ビートたけし (著):裸の王様 (新潮新書)、新潮社 (2003/4/10)

「王様は裸だ!」と叫んだ少年のように,ビートたけしが「何か変だ!おかしい!」と思うことをストレートに言ってくれています.

日本の経済,政治,社会,世界の状況,そして人生まで,幅広く,そして,容赦なく打った斬っています.他の人がこんなことを言ったら,たぶんかなり非難されると思いますが,それが許されるビートたけしとは実に得な人物だと思います.

ハチャメチャなところもありますが,同感できるところもあり,また,考えさせられるところもありました.特に,「環境のせいにしたり,心の病を持ち出すのは,競争から降りるための理屈が欲しいから」というのは私の心に刺さってきました.私は結局,降りるための理屈が欲しかったのかと...

2011年2月5日土曜日

瑠璃色の星,山崎 直子 (著)

山崎 直子 (著) :瑠璃色の星、世界文化社 (2010/7/21)

宇宙飛行士である山崎直子さんが子供たちに向けたメッセージと写真からなる本。

スペースシャトルから撮影した地球の写真はやはりとても美しいです。まさに瑠璃色!ただ、スペースシャトルからだと地球に近すぎて、地球の一部分しか撮れてないのが残念です。

山崎直子さんが宇宙で考えたことを一生懸命子供たちに伝えようとしている...その気持ちが伝わってきました。たぶん、宇宙飛行で山崎直子さん自身の世界観がかなり変わったのかもしれないと感じました。

でも、読み始める前にちょっと期待しすぎたかな?


2011年2月2日水曜日

ウメップ:梅 佳代 の写真集

梅 佳代 (著) :ウメップ、リトル・モア (2010/7/23)

図書館で面白そうな本はないかと捜していたところ,この写真集を見つけました.たまにはこんな写真集もいいかな.

昨年,出版された梅佳代の最新の写真集なのですが,この本でも梅佳代ワールド炸裂です.日常のちょっとした面白い情景を撮っています.

これまでの『男子』や『じいちゃんさま』と違って特にテーマはないみたいです.強いて言えば,本の内容紹介にある『路上の奇跡』でしょうか?

私もこんな面白い写真を撮ろうと思って,日頃デジカメを持ち歩いているものの,なかなかそのような状況に出くわさないです.簡単に撮っているようで,実は難しいのだと思います.

俺,やっぱり好きだなーーー梅佳代.

2011年1月29日土曜日

入門 医工学―医学をサポートする工学 (新・生命科学ライブラリー医学とバイオ)

大島 宣雄 (著) :入門 医工学―医学をサポートする工学 (新・生命科学ライブラリー医学とバイオ)、サイエンス社 (2008/07)

久々に専門書を読みました....と言っても入門書ですが...

医工学とは,工学と医学との融合分野で,医療用の機器や人工臓器などに関わる分野です.この本では、それに加え、再生医療まで解説されています。この広範囲の内容を1冊の本にまとめたことは驚嘆に値します.

本数冊分の内容を1冊に凝縮しているため、不十分な解説になっていますが、これはしょうがないと思います。さらに学習するための本がたくさん挙げられていたのはとても良かったと思います。

医工学の歴史的な話もとても興味深かったです。

1月は何とか目標の4冊を読めました!

2011年1月22日土曜日

こころの処方箋、河合 隼雄 (著)

河合隼雄(著):こころの処方箋 [単行本]、新潮社 (1992/01)

著名な臨床心理学者である河合隼雄さんの本を以前から読みたいと思っていました。

こころに関する55のエッセイから構成されていて、一つ一つのエッセイは短いのでとても読みやすかったです。

「なるほどな」とか「うまいこと言うな」と思えるところが多かったのですが、何となく分かった気になる箇所や、よく分からない箇所もありました。自分にとってはこれからの生き方の指針になるような素晴らしい本だと思いました。著者が有名な方でなかったら、私の感じ方もまた違っていたかもしれませんが、...

一番、心に残った言葉は次の一文です。
「理想は灯台のようなもの、近づき過ぎると難破する。」
うまいこと言うなあ!

2011年1月8日土曜日

この言葉!―生き方を考える50話 (PHP新書)

森本 哲郎 (著) :この言葉!―生き方を考える50話 (PHP新書),PHP研究所 (2000/07)

ゲーテや正岡子規など著名な50人の言葉を取りあげ,それについての解説と著者の考えが書かれた本。なかなかの良書だと思います。

哲学に関連した言葉が比較的多く、個人的にはたいへん興味を持ちました。正岡子規の「平気で生きる」が一番気に入りました。

各言葉に対して4ページを割いているのですが,最後は「...と,ぼくは思う。」など「ぼく」を主語とした文で終わっている場合が多いのが気になりました。この「ぼくは思う」などは無くても文として成立するのですが,敢えて入れているのは,自分の主張であることを強調し、かつ、漢字の「僕」ではなく、ひらがなの「ぼく」を使うことにより、その主張が「ぜったいそうだ」と断言できるほどの人間ではないと謙遜しているのか?...と、ぼくは思う。

2011年1月4日火曜日

岩崎弥太郎と三菱四代 (幻冬舎新書)

河合 敦 (著) :岩崎弥太郎と三菱四代 (幻冬舎新書),幻冬舎 (2010/01)

龍馬伝で登場する三菱の創業者:岩崎弥太郎が実際はどんな人物だったのかを知りたくて,この本を読みました.

岩崎弥太郎は,香川照之が演じたような,大言壮語で,好戦的な人物だったようですね.ただ,龍馬伝で描かれていたような龍馬をライバル視することはなかったようです.長崎で公金を使って遊郭に通いまくって,土佐に帰国させられた話は笑ってしまいました.普通でないという意味で”バカ”だったのだろうと思います.

岩崎弥太郎もさることながら,2代目弥之助,そしてそれに続く久弥、小弥太が奮闘して,現在の三菱,そして日本を作ったことがよく分かりました.それと,利益より国家を考えるというところが,明らかに他の会社と異なることが分かりました.戦闘機を作っている三菱を私は今まであまりよく思っていなかったのですが,この本を読んで,三菱に対する見方が180度変わりました.

史実の解説だけでなく,著者の意見や人生訓も述べられています.これをどう評価するかは人によって意見が分かれるかも知れませんが,「史実を今の時代に生かして欲しい」という著者の思いが込められていて,私は良かったと思います.