良寛はお坊さんのお勤めはほとんどせず、たくさんの詩と歌を書き残した江戸時代の人。その良寛の生涯を描いた画文集です。
著者は、書家として、画家として、そして文筆家として有名な榊 莫山さんです。この方の、味わいのある絵と書が読者にほのぼのとした感じを与えてくれます。また、良寛の書いた漢詩の訳も、とてもおもむきがあって良かったです。
ただ、この本で描かれている良寛像は、それまで私の持っていたものとは少し異なりました。
良寛と言えば、子供たちと手まりで遊ぶ、純朴な姿が思い浮かびます。でも、この本では、子供とすみれを見に山へ行く話が出てくるだけ。良寛はどちらかというと俗人と関わろうとせず、飄々と生きたように描かれています。
私、こんな飄々とした生き方にちょっぴり憧れてしまいます。著者の榊莫山さんもそんな憧れをもってこの本を書いたのではないかなと思います。
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