2010年10月30日土曜日

携帯電話は人工知能の夢を見るか?

溝口 文雄 (著): 携帯電話は人工知能の夢を見るか?―計算機械から知識活用システムへ (東京理科大学・坊ちゃん選書) 、オーム社 (2009/11)


肩すかしにあったような感じです。


私は学生の頃に著者の溝口先生の本を読んで人工知能の勉強をしました。その溝口先生の書かれた本ということで読んだのですが、...


本のタイトルにある携帯電話の話は、本の最後の方の40ページだけ。他はコンピュータの歴史の話です。本の魅力的なタイトルに魅かれて読んだ人はたぶん落胆されるのではないかと思います。


でも、最後の40ページはなかなか面白いと感じました。今までブラックボックスだった携帯電話がアンドロイドの出現で、ユーザが独自にアプリケーションを作れるようになる。これは大学の研究者にとっては、かなり魅力的なことで、携帯電話を利用した研究が一気に進むような予感を感じました。

2010年10月24日日曜日

夢をかなえるゾウ

水野 敬也:夢をかなえるゾウ、飛鳥新社 (2007)


面白い!実に、面白い!この本。

主人公が自分を変えるために、インドの神様ガネーシャが次々と出す課題をこなしていくというお話。そして、その話を通して、人生で成功するための方法を読者に教えるという内容です。

関西弁のガネーシャは実にふざけた神様ですが、教える内容は実に的を得ているように思えます。

最後の課題あたりから、私が主人公であるかのような感覚になりました。こんな感覚を受けたのは何年ぶりだろうか?

そして、...最後は思わず泣いてしまった。この本読んで泣くのは私ぐらいかな?

2010年10月21日木曜日

国家の品格 (新潮新書)

藤原 正彦 (著): 国家の品格 (新潮新書)、新潮社 (2005/11)

論理と合理は大事だがそれで全てを決めるのはダメ、民主主義はダメ、小学校での英語教育はダメ、金儲け至上主義や何でも市場原理で決めるのはダメ、そして、日本の情緒、形、武士道精神が必要、というのが主な主張点です。読んでみて、確かにそうだなと思える部分は結構ありました。

この本の楽しみ方は2通りあります。一つは書いてあることを全て信用して読む楽しみ方。そしてもう一つは、著者の奥さんが言っているように「話の半分は誤りと勘違い、残りの半分は誇張と大風呂敷」だと思って読む楽しみ方です。
個人的にはかなり偏見・先入観が入っているように感じましたが、そう思って読むのもそれはそれで楽しいと思います。私は少なくとも不快にはならなかったです。

著者は数学者なのに、専門外のことをいろいろご存じで驚きます。

たぶん相当変わった人なんだろうな?でも、何か憎めないです。でも、...同じ職場にこんな人いたら嫌だな(笑)。

2010年10月16日土曜日

コミュニケーション力 (岩波新書),斎藤 孝

斎藤 孝:コミュニケーション力 (岩波新書)、岩波書店 (2004/10)


コミュニケーション全般についての著者の考えを示した本で、なかなか良い本だと思いました。

残念なのは、著者の他の本で述べられていることがかなり含まれている点です。コミュニケーションという切り口で、他の本の内容を含めてまとめた、という感じです。

コミュニケーションでは、話の流れをつかむ「文脈力」が重要であることや、意味を伝えあうだけでなく感情も重要であること、リベートを教育に取り入れるのは良くないこと、など共感できる点やなるほどと思う点が多々ありました。

最後の周りから無視されて自殺した子供の話は、コミュニケーションの重要性を再認識させられました。

やはり大事なのですね、コミュニケーション。

2010年10月10日日曜日

脳に効く「睡眠学」

宮崎 総一郎 (著) :脳に効く「睡眠学」 角川SSC新書、角川SSコミュニケーションズ (2010/3/10)



最近、不眠に陥ってしまい、この本を読むことに。


滋賀医科大学で睡眠学を専門にされている宮崎氏が書かれた本で、具体的なデータをもとに睡眠について解説されていて、とても説得力があり、また、私のような不眠に悩む人には目から鱗です。

興味深かったのは、睡眠時間が短いと死亡率が上がり、逆に長すぎても死亡率が上がる点、そして、学力についても同様で、 睡眠時間が短すぎても、長すぎても学力が下がる点、です。長く寝ればよいというものではないのですね。


そして、この本を読んで、今まで大きな誤解をしていたことがわかりました。それは、体温を上げると快眠できないという点です。その逆だと完全に思い込んでしました。


この本に書かれていた快眠のための方法のうち、以下のことをさっそく実践してみたところ、...いつもより寝れた感じはしました(気のせいかな?)。
・夜に強い白色光に当たらない。
・夜にテレビやパソコンの画面を見ない(画面からでる光が快眠を妨げる)。
・夜に運動しない(体温が上がる)。
・寝酒をしない。
・遅い時間に夕食をとらない(体温が上がる)