2016年6月30日木曜日

科学の困ったウラ事情 (岩波科学ライブラリー)

有田 正規 (著):科学の困ったウラ事情 (岩波科学ライブラリー),岩波書店 (2016/2/25)

雑誌「科学」に連載されたコラムをまとめたもので,主には,科学界に成果主義や市場原理が導入されことを批判している.

たしかに成果主義が小保方さんのような人を生み出したのは間違いないだろう.有期雇用なら成果を出さないと首になるのだから,インチキもしたくなるのだろう.あんな事件が起きているのに,理研の研究員は相変わらず単年度契約だそうだ.基礎研究の分野で,1年で結果を出せるわけがない!

小学6年生男子の「将来就きたい職業」の2位が「研究者」だそうだが,現実を知ったら,幻滅するかな?

2016年6月25日土曜日

スタンフォードのストレスを力に変える教科書

ケリー・マクゴニガル (著), 神崎 朗子 (翻訳):スタンフォードのストレスを力に変える教科書,大和書房 (2015/10/22)

ストレスから逃げようとするのではなく、ストレスを受け止め、ストレスに対する考え方を変えることによって、ストレスから「勇気」、「人とのつながり」、「成長」を生み出すことができる...といった内容。心理学の多数の研究成果を引用して、解説しているのだが...

ほんまかいな?ほんまかいな?と何度も突っ込みを入れながら読み進める。あるところでストンと見事なまでに腑に落ちた。過去に読んだ日野原さん本の話と繋がったのだ。本のタイトルは忘れてしまったが、たぶんこんな内容だった:「ストレスを感じる状況では、ストレスを苦と感じるのではなく、その状況を楽しむ」。この日野原さんの話と本書の話はイコールではないが、ストレスに対する捉え方をポジティブに変えるという点は繋がっている。

実践しようとはしてみたが、なかなか難しい。

2016年6月19日日曜日

英語は動詞で生きている! (集英社新書)

晴山 陽一 (著):英語は動詞で生きている! (集英社新書),集英社 (2005/03)

英語という言語を支配している動詞に焦点を当てた本。

3大動詞(be, do, have)や体にまつわる動詞、ゾウリムシに関わる英文や英語の歴史、などなど。それぞれの章は独立していて、なかなか読み物として面白い。

基本的には英文法の本なので、一見型ぐるしそうですが、ところどころに散りばめられたおふざけの文はなかなかGOODです。

2016年6月12日日曜日

わたしの病気は何ですか?――病理診断科への招待 (岩波科学ライブラリー)

近藤 武史 (著), 榎木 英介 (著):わたしの病気は何ですか?――病理診断科への招待 (岩波科学ライブラリー),岩波書店 (2010/12/9)

患者から採取した組織や細胞を調べて、病気を診断する病理医を紹介する本。

今まで私も何度か病理医のお世話になっているはずですが、如何せん患者側からは顔が見えない。ひょっとしたらコンピュータを使って自動で診断するのかと思っていましたが、...

たいへんな仕事なんですね。

2016年6月8日水曜日

皮膚は考える (岩波科学ライブラリー 112)

傳田 光洋 (著):皮膚は考える (岩波科学ライブラリー 112) 、 岩波書店 (2005/11/3)

資生堂の研究者である著者の研究成果を中心に書かれています.専門的でありながら,分かりやすく,なかなかの良書だと思いました.

皮膚がホルモンや神経伝達物質を合成するなどのサイエンティフィックな話も面白かったのですが,東洋医学との関わりや最後の著者の個人的な話も興味深かったです.

皮膚ってすごいじゃん!

2016年6月4日土曜日

ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本

向山 淳子 (著), 向山 貴彦 (著):ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本,幻冬舎 (2001/12/20)

文法用語を使わずに,英文法を解説する本.

本書の初めに,著者が若いころに好きな人を追って,アメリカに渡る話が書かれています.あの当時は,外国へ行く日本人は極めて希だったはず.それを好きな人を追いかけて,とはすごい話だ.本書の最初で,著者が自分をさらけ出したことで,私の本書に対する壁は完全に取っ払われ,著者を身近に感じて読み進めることができました.本書には,「魔法」という言葉が出てきますが,この最初に話は,本論にスムースに入っていくためのまさしく「魔法」だったと思います.

内容はというと,ビッグ・ファット・キャットとエドのお話の文章を使って、分かりやすく文法を解説しています.このお話、なかなかGood、文法解説もGoodです.

ただ、まったくの英語の初心者には難しいと思います.昔、英語を学習した人が、再学習するのには本書はぴったりかな?