2025年6月14日土曜日

てんかんでも大丈夫


福智 寿彦 (著):てんかんでも大丈夫、幻冬舎 (2019/8/2)

本書は、てんかんを抱えながらも自分の人生の目標を持ち、それを実現するための「リカバリー」という考え方について述べられています。

てんかんとリカバリーの基本的な説明に加え、実際の患者さんの体験談や、リカバリーのために著者が設立した施設の紹介、さらに患者が利用できる補助制度などについても詳しく紹介されています。

単なる発作をなくす治療だけではなく、リカバリーには希望を持って前に進む力が込められていることが分かりました。

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2025年6月7日土曜日

書いてはいけない――日本経済墜落の真相


森永 卓郎 (著):書いてはいけない――日本経済墜落の真相、フォレスト出版 (2024/3/9)

取りあげている内容は、ジャニーズの性加害問題、財務省の強権性、日航機123便墜落の謎、そして日本経済墜落の真相、の4つです。

たくさんの他人の発言を引用して、巨大組織の陰謀を推理していく、といった内容です。どこまでが本当なのかは私にはよく分からないです。

一番気になったのは、...2020年度末で国の負債が1661兆円に対して、国の資産が1121兆円で、その差額が540兆円だから、大した負債ではないという点です。この資産って売却して借金返済に当てられるようなものなのでしょうか?そうでなかったら、問題はやはり負債の額で、差額を求めてもあまり意味がないのではないかと思いました。

2025年5月31日土曜日

ガリバー旅行記 (21世紀版・少年少女世界文学館 第4巻)

ジョナサン・スウィフト (著), 加藤 光也 (翻訳):ガリバー旅行記 (21世紀版・少年少女世界文学館 第4巻),講談社 (2010/10/19)

有名な小人国の話は以前から知っていましたが、それ以外の内容は知らなかったため、今回改めて読んでみました。

本書には、小人国のほかに、大人国、空飛ぶ島、馬の国の話が収められています。児童向けにわかりやすく解説が付けられており、たいへん読みやすかったです。

飛ぶ島の名前は「ラピュータ」。スタジオジブリのアニメ作品のタイトルは、ここから取られているのだと分かり、興味深く感じました。

物語全体に、人間社会に対する風刺が巧みに織り込まれており、どの描写が何を風刺しているのかを考えながら読むと、より一層楽しめると思います。単なる児童文学ではなく、風刺小説としての深みもある作品でした。

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2025年5月24日土曜日

遊女と遊郭の色世界 (KAWADE夢文庫)

博学こだわり俱楽部 (編集):遊女と遊郭の色世界 (KAWADE夢文庫) 、 河出書房新社 (2010/1/1)

「べらぼう」で遊郭という社会に興味を持ち、本書を読んでみました。

現在の風俗と共通する部分が多々あって、「この時代からそうだったんだ」と、驚くことが多かったです。

一方で代表的な遊郭である吉原は階級社会で格式張っていて、流行・ファッションの発信地という、現代とは異なる点も興味深かったです。

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2025年5月17日土曜日

ニャンと空海


名取 芳彦 (著):ニャンと空海,宝島社 (2024/5/24)

空海の教えをネコの写真と共に分かりやすく伝える本。

見開きの左ページには,まず空海の言葉があって,その次にその解釈,そして著者による解説があります。右ページにはネコの写真と言葉が載っているのですが,何といってもネコがカワイイです。ただ,右ページの言葉が左ページとマッチしてないような?

でも,この手の本は大好きです。

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2025年5月10日土曜日

手術はすごい (ブルーバックス B 2283)


石沢 武彰 (著):手術はすごい (ブルーバックス B 2283),講談社 (2025/1/23)

本書では、手術の計画と実施の流れ、手術で使用される機器や道具、基本的な手技から応用的なテクニック、さらに具体的な症例ごとの手術の様子について、詳しく紹介されています。

知らなかったことが満載で、脳がとても刺激されました。

また、若い世代に響きそうな言葉の選び方も多く、その表現がなかなか面白く感じました。


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2025年5月3日土曜日

粒子線治療がしっかりわかる本

日本放射線腫瘍学会 広報委員会/粒子線治療委員会 (著):粒子線治療がしっかりわかる本、 法研 (2023/9/15)

本書は、がん治療の一つである粒子線治療について、一般の読者にわかりやすく解説した本です。

従来のエックス線による放射線治療では、病巣だけでなく周囲の正常な細胞にもダメージを与える可能性がありますが、粒子線治療ではその影響が比較的少ないことが大きな利点であると理解できました。

また、全国にある26の治療施設が紹介されており、実際に受けられる場所についての情報も得ることができました。

読んでいくうちに、思っていたほど“万能”というわけではないのか、という印象も受けました。

2025年4月26日土曜日

具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ


細谷 功 (著):具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ、dZERO (2014/11/27)

タイトルだけを見ると何だか難しそうに感じますが、実際に読んでみると、日常の人間関係や仕事の場面で納得のいく話ばかりでした。

物事を抽象化することの重要性、抽象と具体を行きつ戻りつして考えることの重要性が説かれています。

とても良い本!思考の幅を広げるために、多くの人に読んでほしい一冊です。

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2025年4月19日土曜日

クリスマス キャロル (21世紀版・少年少女世界文学館 第7巻)


チャールズ・ディケンズ (著):クリスマス キャロル (21世紀版・少年少女世界文学館 第7巻)

主人公のスクルージは、貪欲でけちな老人。お金こそが全てだと信じ、クリスマスさえも無駄だと考えています。

クリスマスイブの夜、彼の前に亡くなった同僚の幽霊が現れます。続いて3人の精霊が現れ、スクルージを過去、現在、未来のクリスマスへと連れて行きます。そこで様々な光景を目にしたスクルージは、自分の生き方を深く後悔し、心を入れ替える決意をする、という物語です。

この物語は、お金だけでは得られない大切なものがあることを教えてくれます。私たち自身の生き方を見つめ直すきっかけにもなると思います。

2025年4月12日土曜日

生成AIのしくみ 〈流れ〉が画像・音声・動画をつくる (岩波科学ライブラリー 328)

岡野原 大輔 (著):生成AIのしくみ 〈流れ〉が画像・音声・動画をつくる (岩波科学ライブラリー 328)、岩波書店 (2024/12/20)

生成AIの仕組みについて、数式を一切使わずに入門者向けに解説した本です。

本書で扱われているのは、ChatGPTのようなテキスト生成型のAIではなく、画像や動画、音声などを生成するAIです。

拡散モデルの概念についてはある程度理解しているつもりでしたが、本書を読んで、実際には自分が思っていた以上に複雑で難解なものであることがよく分かりました。

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2025年4月5日土曜日

誰でも使える 画像生成AI超入門: ワン・コンピュータムック


ゲットナビ編集部 (編集):誰でも使える 画像生成AI超入門: ワン・コンピュータムック 、ワン・パブリッシング
(2024/10/16)

本書では、代表的な4つの画像生成AI(DALL·E 3、Stable Diffusion Online、Midjourney、Canva)の紹介に加え、サインアップの方法から実際の画像生成手順までが解説されています。

初心者にもわかりやすく、丁寧に説明された一冊です。

出版されたのは昨年の10月と比較的最近ですが、生成AIの進化スピードがあまりにも速いため、本書の内容と最新版のAIとでは、若干の違いが生じている部分もありました。

AIの進歩、恐るべし!

2025年3月29日土曜日

新装版 京都 ものがたりの道


彬子女王 (著):新装版 京都 ものがたりの道、毎日新聞出版 (2024/7/16)

京都の通りにまつわるエッセイ集。

私は京都の町を歩き回るのが好きで、ところどころにある歴史的な事柄を示す石碑を見つけては京都1000年の歴史を感じています。

本書を読んで、今まで訪れたことのない通りや知らなかった逸話を知り、ここも歩いてみたいという気持ちでいっぱいになりました。

京都の町並みに興味のある人や、歴史に触れながら散策を楽しみたい人にとって、本書は新たな発見をもたらしてくれる一冊です。

2025年3月22日土曜日

「名前が出てこない」「忘れっぽくなった」人のお助けBOOK


加藤 俊徳 (著):「名前が出てこない」「忘れっぽくなった」人のお助けBOOK、主婦の友社 (2023/7/13)

物忘れを防ぐための具体的な方法が紹介されています。日常生活の中で手軽に取り入れられる実践的なアドバイスが多く、とても参考になりました。

主な方法として、以下のようなものが挙げられています。

・メモを取る
・コミュニケーション
・日常に変化をつけ楽しむ
・手書きの日記をつける
・口、手、足を動かすエクササイズ

今まで見たこともないエクササイズもあって、面白いと思います!

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2025年3月15日土曜日

飛ぶ教室


エーリヒ ケストナー (著), 池内 紀 (翻訳):飛ぶ教室、新潮社 (2014/11/28)

タイトルを見たとき、ファンタジーかSFかと思い込んでいました。しかし、実際に読んでみると、とても現実的で、人間味あふれるお話でした。

舞台はクリスマス前のドイツの寄宿舎。他校生との争いや、子供たちと大人との関係、上級生と下級生との上下関係、そして友情や成長が丁寧に描かれています。

時にユーモアを交えながらも、温かさと深みのあるストーリーが心に残りました。

最後は目頭が熱くなる素敵な話でした。

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2025年3月8日土曜日

スマート農業 (やさしく知りたい先端科学シリーズ11)


中野 明正 (著):スマート農業 (やさしく知りたい先端科学シリーズ11),創元社 (2024/5/17)

先端科学技術を活用した農業について広く浅く解説した入門書です。

ロボットやドローン、AI、ICTなどの技術が農業にどのように応用されているか、具体的な事例とともに紹介されていて、非常に興味深かったです。

全体的に分かりやすく、専門知識がなくても読み進めやすい内容だったため、スマート農業に興味を持つ入門者にとって良い一冊だと感じました。

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2025年3月1日土曜日

世界を平和にするためのささやかな提案 (14歳の世渡り術)


黒柳 徹子 (著)ほか21名:世界を平和にするためのささやかな提案 (14歳の世渡り術),河出書房新社 (2015/5/26)

こういう時代だから、こんな本を読みたくなりました。

様々な分野の22名の方々が世界を平和にするための提案をされています。

一人の意見を信じ込んで毒されるのではなく、このように多様な意見に触れることはとてもいいことだと思います。

色々な話があるなかで、ちょっと驚いたのは、田中優氏の「紛争の原因を考えよう」です。ほとんどの紛争地は資源が絡んでいるとのことで、例として挙がっていたのが、ガザ沖のガス田、ウクライナのガスパイプライン...、えっ、知らなかった!しかも本書はウクライナ戦争の前に書かれた本です。

あまり評判にはならなかった本ですが、素晴らしいと思います。中学生向けに書かれた本ですが、大人にも読んでほしい一冊です。

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2025年2月22日土曜日

生成AIで世界はこう変わる (SB新書 642)


今井翔太 (著):生成AIで世界はこう変わる (SB新書 642)、SBクリエイティブ (2024/1/7)

生成AIという言葉を聞く機会が増えましたが、この本を読むまで、その潜在的な可能性を深く理解できていませんでした。

創作活動や新しいアイデアを生み出すためのパートナーとして生成AIを活用できるということがよく分かりました。

また、技術的な解説が含まれている点も非常に良かったです!

さらに、AIによって消える仕事と残る仕事が、生成AIの登場以前と比べて大きく変化していることには驚かされました。この技術の進化が社会に与える影響を考えさせられる一冊でした。

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2025年2月15日土曜日

知りたいこと図鑑


みっけ (著):知りたいこと図鑑、KADOKAWA (2023/8/28)

身近な物の名前や,言葉,記号、デザインなどが何を意味するのかが分かります。

知らないこと満載で驚きました。

この本は、ただ知識を広げるだけでなく、デザインも工夫されていて、見ているだけでも楽しいです。

色々なジャンルのことが載っているので、ちょっとした空き時間に気になったところをパラパラ見るのも良いかもしれません。

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2025年2月8日土曜日

もうじきたべられるぼく


はせがわゆうじ (著):もうじきたべられるぼく、中央公論新社 (2022/8/9)

もうじき食べられる子牛がお母さんに会いに行くというストーリー。

久々に泣いた。

絵本の持つパワーは凄まじい。わずか数十ページで強烈なインパクトを心にどすんと落とし込みます。

絵もとても素敵でした。最高!

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2025年2月1日土曜日

自分とか、ないから。教養としての東洋哲学

しんめいP (著), 鎌田東二 (監修):自分とか、ないから。教養としての東洋哲学、サンクチュアリ出版 (2024/4/23)

僧侶でも研究者でもない無職でバツイチの著者が東洋哲学を自分なりに解釈して、自分の言葉でブログ風に書いた本。

ブッダ、龍樹、老子・荘子、達磨、親鸞、空海の思想を取りあげて解説しています。

自らの経験を交えて分かりやすく書かれてはいますが、東洋哲学はやっぱり難しいですね。

執筆内容がどれくらい正しいのかは私には分からないですが、専門家からはいっぱい突っ込みが入りそうな感じはしました。

でも,とてもユニークで、面白い一冊です。

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2025年1月25日土曜日

ちょっと不運なほうが生活は楽しい


田中 卓志 (著):ちょっと不運なほうが生活は楽しい、新潮社 (2023/8/31)

アンガールズ田中さんのエッセイ集です。子供のころの話や芸人になってからの話など、いろいろ満載。笑える話もあれば、心温まる話もあって、なかなか良い!文章もよく書けていると思います。

ご自身がブサイクだと認識されているのが本書でよく分かりましたが、田中さんって外見はそんなにブサイクとは思わないです。所作がキモいだけですが、それもお笑いのためにそうされているのかと思っていました。考えてみれば三高(高身長、高学歴、高収入?)だし、お笑いの人でなければ、女性からそんなに嫌がられることはないんじゃないかな?

とりあえず結婚できて、良かったですね。おめでとうございます。

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2025年1月18日土曜日

休養学: あなたを疲れから救う

片野 秀樹 (著):休養学: あなたを疲れから救う、東洋経済新報社 (2024/2/28)

長時間寝たりゴロゴロしたりではなく、積極的な休養によって疲れを取る方法が提案されています。

積極的休養として以下の7つのタイプを挙げています。
・生理的休養(休息タイプ、運動タイプ、栄養タイプ)
・心理的休養(親交タイプ、娯楽タイプ、造形・創造タイプ)
・社会的休養(転換タイプ)

私にはかえってストレスが増えそうなものもありますが...

とりあえず簡単にできそうなものとして、朝のストレッチを毎日することにしました。血流をよくすると、なんだか調子が良くなった気がしました。

2025年1月11日土曜日

宇宙から考えてみる「生命とは何か?」入門 (14歳の世渡り術)

松尾 太郎 (著):宇宙から考えてみる「生命とは何か?」入門 (14歳の世渡り術)、河出書房新社 (2023/10/23)

「地球外での生命の存在を探査する」というテーマは、とても興味をそそられました。

本書は、以下の3つの問いを軸に構成されています:
・人類は宇宙をどのように考えてきたのか?
・人類は生命をどのように考えてきたのか?
・宇宙には、私たち以外の生命が存在するのか?

これらを通じて、これまでの天文学や生物学の歴史も学ぶことができます。

本書のメインテーマである「地球外生命の探索」はもちろん魅力的ですが、天文学と生物学がそれぞれ望遠鏡や顕微鏡の発展によって、同じ時期に進展したという点も興味深かったです。

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2025年1月4日土曜日

ドン=キホーテ (21世紀版・少年少女世界文学館 第21巻)


ミゲル.デ・セルバンテス (著), 安藤 美紀夫 (解説, 翻訳):ドン=キホーテ (21世紀版・少年少女世界文学館 第21巻)、講談社 (2011/3/18)

騎士道物語を茶化すためにセルバンテスが1600年代に書いた小説で、時代を超えて世界の人々に愛される不朽の名作です。

騎士道物語の読み過ぎで現実と物語の区別がつかなくなったドン=キホーテが、さすらいの騎士として冒険の旅をする話です。

彼自身が夢見る崇高な騎士道の世界と、現実世界とのギャップによる滑稽な出来事で彩られています。なかなか笑えます!

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