2026年5月23日土曜日

人間失格

太宰治 (著):人間失格 、 文響社、2021/6/3

人間の内面の弱さや不安を鋭く描いた作品。

本作の主人公は、地方の裕福な家庭に育ち、頭も良く、容姿にも恵まれ、女性にも好かれる人物。しかしその内面では人間に対する強い恐れを抱えており、それを隠すために道化を演じ、酒に溺れ、次第に自らを追い込んでいきます。その姿は、とても深い闇を感じさせます。

『人間失格』は、著者が亡くなる直前に書いた自伝的小説とされています。著者が主人公のような人だったのかは分かりませんが、もしそうだったら、最期を前にして、自分のような人間の在り方を何らかの形で書き残しておきたかったのではないかと感じました。

特に印象に残ったのは、「信頼は罪なりや」と「無抵抗は罪なりや」という言葉です。人を信じることや抗わないことが本当に罪なのかという問いは重く、読後も長く心に残りました。

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