井原西鶴 (著):好色一代男 (光文社古典新訳文庫 K-Aイ 1-1)、光文社、2023/4/12
日本初のベストセラー小説とも言われる作品ですが、実際に読んでみると、その理由がよく分かる気がしました。
本書には全国各地の遊女や遊里の様子が数多く描かれています。登場する遊女の中には実在した人物も多かったのではないかと思われ、当時の読者、とりわけ男性たちは、この小説を読んで「その土地へ行ってみたい」「実際に見てみたい」と感じたのではないでしょうか。そのような好奇心をかき立てる内容が、本作品が広く読まれた理由の一つだと思いました。
一方で、これほど多くの土地や人物の情報を井原西鶴がどのように集めたのかも気になりました。もし自ら各地を訪ね歩いて見聞したのだとすれば、その行動力には驚かされます。
また、作品中には古典や歴史上の出来事を踏まえた引用やパロディも数多く見られました。単なる娯楽小説にとどまらず、井原西鶴の幅広い知識と教養が感じられ、改めてその博学ぶりに感心した一冊でした。
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