2015年2月14日土曜日

データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則

矢野和男 (著):データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則,草思社 (2014/7/17)

ウエアラブルセンサから得た膨大なデータから、人間・組織・社会の法則を見つけ出し、さらには人間のハピネスや運も分析・評価するという話。

かなり期待して読み始めましたが、...

最初の方で、”著者の提唱するU分布が右肩下がりなのに対し、一般的な正規分布は釣鐘型をしていて、全く異なる”、という話が出てきます。

何言ってんだ!

と私は思いました。U分布のグラフは縦軸が累積確率だ。累積確率であれば、どんな分布だって右肩下がりになる。それに対して、正規分布のグラフは縦軸が確率密度だから、釣鐘型になっているけど、正規分布だって縦軸を累積確率にすれば、右肩下がりになるはずだ。何なんだ、この本は、いったい!

この時点で、私の頭には疑念が刻み込まれました。以降、疑念ももって、読み進めましたが、面白いと思うところもあれば、より疑念が深まる部分もあって、この本の評価はなかなか難しいです。

この本の最後に、注記で、累積確率と確率密度について説明がありましたが、まじめな本なら、人を欺くような記述は止めてほしいし、トンデモ本なら、もっとトンデモ本らしくしてほしい(笑)、と思いました。


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